運命の出会い

 私の運命の出会いは幼稚園のとき。私のマークはカエルだった。数字も文字もまだ読めないから、自分の持ち物には一人ひとり動物のシールを貼るのだ。幼い私はなんとなくカエルに運命じみたものを感じた。小学生になって以降も自分の持ち物には名前を書く代わりにカエルのシールを貼る習慣が続いた。雀百まで踊り忘れずとはよく言ったものだ。

 そうすると、いつの間にか好きになっていた。ガチャポンでカエルを見つければとりあえず回すようになったし、カエルのぬいぐるみも山ほどある。特別なことは何もなかったけど、カエルが好きになっていた。何度も目にすることで対象に好意を抱くことをザイオンズ効果なんていうらしい。


 つまるところ、最初の出会いが肝心だったんだ。運命の出会いはある。そして出会いを大切にすることで好きなモノが増えていくんだろう。

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