秘密結社プリティーカルト

「オイオイオイ、草原で立ち尽くしてる連中がいるゼ! ソラ。」

 ショッキングピンクの髪をしたツリ目の少女はピンキー。

「うえーん! 助けてあげなきゃ可哀そうだよぉ。行こうよお姉ちゃん。」

 スカイブルーの髪をしたタレ目の少女はソラ。

 彼女たちは秘密結社プリティーカルト。今日もとあるカルト団体を支援すべく草原へ繰り出す。


 大人たちは円陣を組んで必死に祈っている。中央には子供が寝かされていた。


「ヤア! やっこさンたち、何かお困りで?」

「助けに来たよぉ。」


 ピンキーたちはカルトの一人に事情を尋ねる。なんと中央にいる子供は悪魔に憑かれてしまったらしく。宇宙そらに捧げてはらってもらおうと考えていたらしい。


「何日も大変だったろう。オマエたち。」

「いえいえ、なんてことはありませんよ。可愛いこどものためです。」

「クゥー! 聞いたかソラ! この見上げた信仰心を!」

「はいぃ。かんどうじまじだぁ。うわあぁん!」


 ちょっと待ってろとピンキーは断りをいれてどこかへ連絡する。ピポパニポぺポ。とぅるるるる。 「%$※!※!??」 『!##%$※!』

 謎の言語でやりとりした後。


「ヨかったなァ! 来てくれるってヨ。」


 次の瞬間、平原に大きな影が差す。上空には。巨大な謎の円盤が浮いていた。そこから触手のような謎の光が伸びてくる。カルトたちは平原を叫び声を上げながら、両手を上げて走り回る。


「ハッハッハ! みんな大ヨロコビだゼ!」

「よがっだぁ。なんだか私もうれじいでず。うわあああぁん!」


 ピンキーとソラは満足気に眺める。やがて、カルトたちが円盤からのびた光に掴まれて皆宇宙そらへと旅立った。しかし、平原にはポツンと残された子供が一人。


「おおっと。オマエは信仰心が足りなかったンだな。一人置いてかれて可哀そうに。」


 ピンキーたちは同情する。結局子供はピンキーの伝手で裕福な孤児院に預けられて、なんの問題もなく育ちましたとさ。

 めでたしめでたし。

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