第41話 ルミナス その10
「どうしてだい? 会計、書記なんて補佐がいなくてもどうにかできる役職だ。それなら、なにかと手が足りなくなる庶務に補佐をつける方が自然だとは思うが?」
「花愛、、覚えておけ。この生徒会の会長は私だ。私の言うことに文句があるなら、この生徒会に迎え入れるわけにはいかない」
「……想像以上の独裁だね」
「選べ、、従うか、、出ていくか……」
「なら、出てーー」
「心配してくれてありがとな花愛! でも、俺なら大丈夫だ! だから、お前はお前の役割を果たしてくれ! なっ!!」
クロノスの頭にぽんっと手を乗せ、笑顔を向ける。
「……気安く触るなゴミ虫が……」
クロノスが乗せた手を無慈悲に払い落とす。
あれ?
「そうだな、、薫には手伝いなんか【必要ない】からな」
あれあれ?
なんだか、二人の目が冷たい、、いや、違う!! 生徒会全体の目が冷たい!!!
えっ? 俺、そんなにマズイことしました!?
「さて、、薫なんて放っておいて仕事を始めるぞみんな」
直の一言に各々がそれぞれ返事をする。
みんなが、俺と、、目すら合わせてくれない。
差はあれど、なんか皆さん怒ってらっしゃる?
えっ? なんで?
「薫!!」
「はっ、はい!」
「何を突っ立ってる。仕事に取り掛かれ。でないといつ終わるかわからないぞ……」
「……」
俺は、机に積まれたいつもの3倍はあるであろう仕事量に思わず生唾をごくりと飲んだ。
「会議中? 失礼するわ」
聞き慣れない声に、俺たち全員は声の方を向いた。
「あ、、あんたは!!」
「初めまして生徒会の皆さん、蒼海学園風紀委員長長月紅音です……」
「同じく、副委員長の多田野だ!!!」
このタイミングで紅音の登場……だと!?
「初めまして、長月風紀委員長。それで? 今日は生徒会室にどんなご用ですか?」
「倉沢生徒会長。私は、あなたの仲良し生徒会に対して、風紀を守っていればどうこう言うつもりはないわ、、ただ……」
風紀委員二人の後ろからすまなそうな表情を浮かべた、静ちゃんが顔を出した。
「し、、静ちゃん!?」
この学園にまだ、静ちゃんがいることの驚きと、、相変わらず何度やっても懲りないんだなという驚きと呆れの二重の声を俺は上げた。
「いやーゴメン! 実はーー」
「んっ、んん、、君たちの顧問である園部静菜先生はあなたたち生徒を引率する立場でありながらアルコールを摂取し、あなたたちに迷惑をかけた!! これは、教師としてあるまじき行為です!!」
まぁ、、それはもう咎められるのは仕方のないことだ……。
「ふーん、、それでそれがどうしたのかしら? 多田野風紀副委員長」
「なに?」
「静ちゃんの飲酒は、私たち生徒会の個人的な旅行でのことよ。未成年だけでは宿を貸してくれないと言われたから、、私が個人的に園部先生にお願いしたの。たしかに、、学校行事ならともかく個人旅行での成人女性の飲酒行為がそんなに悪いことかしら?」
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