第14話 コネクト その3

「で、、また来たんだ」


 愛花が、ニシシと歯を出して笑う。


「……もとはといえば、、お前が俺を引き止めるからこうなったんだぞ……」

「ゴメン、ゴメン。アイス代、あたしも半分出すから許してよ」


 愛花はそう言って下をペロリと出した。


 わかってはいたが、、あまり、反省の色は内容だ……。


 学校から名前だけスーパーとついているオンボロディスカウントショップ『スーパー・トライ』までは俺なら走れば往復6分で戻ることが出来る。


 そんな俺にとって、、超余裕だったはずのミッションに失敗したのは……。


 偶然トライでバイトをしていた愛花に、無駄な足止めをくらってしまったのが原因だ。


「納得いかん!! お前が、アイス代を全て出すべきだ!!」

「えー、、井上薫の足が遅いのがーー」

「俺の足は、高校生男子の平均よりは上だ!!」


 過去には、クラス代表走者に選ばれたこともある。


 陸上部をはじめとする運動部を差し置いて何故かだ……。


「ぶー……」


 愛花が頬を膨らませながら、不満そうな表情を浮かべた。


 もしこういった女の子の反応に慣れていなかったのなら、ごまかされてしまうかも知れないが……。


 残念だったな愛花よ…。


 俺には、、直を始めとする個性豊かな生徒会役員が常に近くにいる。


 こんな、大多数の女子がやるであろう程度のごまかし! 


       俺には効かん。


「そ、、そんなかわいい顔を、しっしし、、したって無駄だぞぉ! 俺は、、絶対にごごごごまかされないからなぁ!」


 多少、どもったり声がうわずった気もするが気のせいだ。


 ちょっと可愛いなって思ったし、心拍音が上がった気もしたが気のせいだ


「ふーん……」


 愛花は何故か、勝ち誇った表情を浮かべた。


「な、、何だよ、その顔……」

「これ、な~んだ?」


 愛花は、一枚の写真を俺に見せつけた。


「んっ? なんだ? それはーーなっ!?」

「ふっふふ〜何故、あたしがこの写真をお持ちだと思いますか?」


 愛花が持っていたのは、この世界には本来存在しないはずの代物……。


 俺がつい最近経験した、あの不思議な出来事の時に直とーー。


「大胆だね~白昼堂々こんなことするなんて」

「お前!! 何故、この写真を!! どこでーー」

「知りたい? だよねぇ、、けど、教えてあげないよ。それが約束だから」

「何が、約束だ!! ふざけるな!! それはーー」

「本来、この世界にはあるはずのないもの」

「なっ……」

「そう、、そんな代物をあたしが持っている」

「お前、、いったい……何の力だ!? 何の力を持っているんだ!!」


 思わず、声を荒げる。


 しかし愛花は、その俺を見て楽しんでいるかのように笑っている。


「ねぇ、、井上薫……良いのかな?」

「何がだ!!」

「直ちゃんや、星奈さん、、だいぶ待たせてるんじゃないかな?」

「誤魔化すなよ、愛花。それに、すぐに戻って来いって言われてたのにお前と立ち話をしているんだ、、いつ戻ったとしても今更変わらないさ……」

「へ~ずいぶんと大胆な発言だね……ねっ、直ちゃん?」

「なっ!?」

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