第4話 ナイショの話 その4
「おっはぁ!!」
ひと昔前に流行った女装アイドルの挨拶と共に、見知らぬ美少女が現れた。
「あの、、すいません。ここは生徒会以外の方は基本的にはーー」
「チッ、チッチ!! そんなのはわかってるよ!! なぜならあたしは新聞部部長だから!!」
晴美ちゃんと対して背の変わらない謎の美少女はない胸を精一杯張って答えた。
あー、、そうだった、、そうだった初対面はこんな風に面食らってたってけ?
「新聞部? なぜ、新聞部がこんなところまでーー」
「おーっす! 倉沢直、ちぃーっす」
謎の美少女新聞部は直と顔見知りらしく、ウインクをしながら某緑髪のアイドル歌手のようなキラッとした決めポーズで挨拶した。
「あら? あなたはーー」
星奈さんは驚きの表情を浮かべていた。
珍しいな、、星奈さんがそんな表情を浮かべるとは……。
「ヤッヤッヤー!!あなたは神楽坂星奈さんではないですか!!」
謎の美少女は再び、わざとらしく大げさな反応を示した
「えと、、いったい、あなたはーー」
晴美ちゃんがおどおどしながら、左右に首を振って狼狽えていた。
「きゃわーん!!」
「キャッ!!」
謎の美少女は、そんな晴美ちゃんをしばし見て観察した後にいきなり飛びかかった。
晴美ちゃんもその予測出来ない行動に驚き、小さく悲鳴をあげた。
「ちょ、、ちょっと!! あなた!!」
清美がその光景に驚き、席から立ち上がり二人のそばに近寄った。
「お、、お姉ちゃん……」
晴美ちゃんが泣きそうな表情で、清美に助けを求めていた。
「はふはふ、、かわいい……すっごく、かわいい! 食べちゃいたい……」
「ひぃぃぃぃ!!」
少女の危ない目は、晴美ちゃんの全身をなめるように見ていた。
そして、獲物を定めたように舌をペロリと音を立てて鳴らした。
晴美ちゃんはもう何がなんだかわからない恐怖に怯え、小刻みに震えていた。
「あなた、、誰だか知らないけど晴美に妙な事したらーー」
「妙な事したら……なに?」
「なっ!? 嘘っ! いつの間に!!」
少女はいつの間にか清美の背後へと移動し、後ろから清美の首筋をすーっと撫でた。
「ひぃっ!?」
清美は撫でられたことで全身に鳥肌が立ち、思わず小さな悲鳴をあげた。
「お姉ちゃん!?」
生徒会全員に衝撃が走る。
なんというか、、清美の背後をとることなんて、出来たとしても星奈さんくらいしかいないと思っていたから……。
「……あなた、、マジで何者よ?」
「だっ・か・らぁ、、さっきから言ってるじゃ〜ん。あたしは、ただのし・ん・ぶ・ん・ぶよ」
少女はそう言ってニコッと小さく笑った。
「嘘言わないで! たかが新聞部があたしのーー」
「とれるよ、もちろんこんな姿なんかもね!」
「ふへっ?」
愛花が一枚の写真を清美に見せると、清美は情けない声を上げてその場に崩れ落ちた。
「清美!!」
俺が清美に駆け寄ろうとすると、今度は俺の目の前に彼女は移動していた。
「お前、、何らかの能力を持っているのか!?」
「さぁ~ただ、あたしはそんな君の考えているような【厨二っぽい能力】を持ってはいないけど」
「なっ! なんだと!!」
「にゅふふ〜井上薫、君の事も、、一応調べてはいるんだよ~」
「なん、、だと……」
「井上薫、、厨二……」
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