第11話 真実
レインの言葉にクラウドは青筋を立てながら「肝心な所の答えがねぇ、何故魔王などと名乗っている、これについても答えろ」と言うとレインは今までよりも大きく溜息をつき「事実だから。そして貴方と距離を取ったのもある日自分が魔王になる、と分かったからよどうせ貴方のことだから知ったら死ぬ迄私を護るというのは分かってたから」と言う。その言葉を聞き、クラウドの青筋は更に強くなり口調も荒くなり始め「…俺がてめぇを護る?当たり前のことだろうが!それに仮にその魔王になる、と言うことから逃げられねぇんなら勇者を殺れば良い話だろうが!!なんでそんな単純なことをやらねぇ!!」と言う。
するとレインは静かに「詳しくは言えない、だけれど魔王になった貴方と勇者の戦って傷付く姿なんてみたくないし私が戦うのは嫌、だけど彼は理由がなければ私を殺せない」その言葉により、クラウドは完全に頭に血が登り「この俺がそこらの雑魚と戦い傷付く?ナメてんじゃねぇ!!一撃必殺を心情にしている俺に任せときゃそいつも一撃で葬られ、俺も無傷で終わる!!」と言った。レインはその言葉を予想していたようで「そうでしょ?だから私は貴方に勇者が誰かを教えない。だけど貴方も生きていたいのなら勇者を殺さなければならない。殺したいのなら自分で探して殺す事ね」と起き上がってすぐと変わらず、クラウドの瞳を真っ直ぐ見つめながらただただ冷静に言う。
クラウドは舌打ちをすると「言われねぇでも探し出して叩き殺してやるよ」と言うとレインは立ち上がり「そうそう、私は気にしないけれど貴方も魔王になったんだから1つだけ教えてあげる。私の部下の中に勇者を強くさせようとしていたものが居るわ、それが1人なのか、それとも複数でしていたのかは分からないけれど」と言った。その言葉によりクラウドの怒りはレインではなくその裏切り者へ向けられた「…つまり、お前は裏切られていたしかしそれを咎める気も無かった、そういう事だな?」と言うとレインは間違っていないわ、と短く答えた。その言葉を聞き、クラウドはニヤリと笑うと「粛清が必要だな?そいつが何を考えてしてやがったのかは知らねぇ、しかし自分の頭である奴を殺す奴を育てるなんざ殺されても何の文句も言えねぇレベルだ」
その言葉を聞き、レインは「好きにすれば?私だけの問題ではないし」と言うと立ち上がり、スカートに付いた汚れを払う。その姿を見たクラウドは殴り倒した木の切り株の断面を蹴りで綺麗にならすと「そこに座りな」とレインへ向けて切り株を指さす。するとレインは「あら?死神と呼ばれ、泣く子も黙るクラウド様がお優しいのね」とクスリと笑いながら言う。それに対しクラウドはニヤリと笑いながら黙ってな。とだけ返す。レインは言われた通りに座り、クラウドはそのレインの前の地面に座り、タバコに火をつける。
レインはクラウドがタバコを吸っている姿をじっと見ており、クラウドはその視線に気がつくと「お子ちゃまが嗜むものじゃねぇ、むせるのが関の山だ」と言うとレインは「吸いたいわけじゃない、ただ相変わらず身体に悪いことを平然としてるのね」と言う。その言葉にクラウドは「ガキの頃は舐められねぇように、って意味もあったが昔も今もいつ殺されてもおかしくねぇからこれを辞めたら長生き出来る、なんて説教誰が聞くか」と言う。
タバコを吸い終わり、火の付いたままのタバコをクラウドが握りつぶすと口を開き「さてと、それじゃあ真面目な話をするか」と言う。続けて「レイン、テメェの能力はなんだ?」と言うとレインは「変身能力」とだけ答えた。その答えを聞き、クラウドはニヤリと笑いながら「そりゃあ都合が良いな、レイン、姿は任せる、今とは全く違う姿に変えろ」と言うとレインは「何故?理由が全くわからない」という。クラウドは「魔王が2人、となると混乱を招くだけだ。だったらテメェが死んだことにして俺が指揮をした方がまとめやすい、違うか?」と言うとレインもそうね、と頷いた。
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