第1話 闇討ちへの報復
クラウドは男が動かなくなったところで壁へ男を投げつける。男は完全に息をしておらず、息絶えたようだ。それを横目に確認すると最後の一人である女へ向けて「…素直に話すか文字通り死ぬほど苦しめられて殺されるかどっちがいいか選べ」と睨みながら淡々と言う。女は狂乱状態で話しても殺されるし話さなくても殺されると言い続けている。クラウドは女へ向けて軽く平手打ちをすると「…話すなら生き長らえる事が出来る、俺に対して闇討ちしやがったこの国は滅ぼす、話さないならてめぇもこの国と同じ末路を辿るだけだ、早く選べ」と言うが女は「無理よ…たった1人で国を滅ぼす?そんなのは絶対に無理よ…」とペタリと床に座り込む。クラウドは其の姿を見ると「…そもそも俺の命を狙ってきたやつを助ける筋合いはねぇな、勝手に野垂れ死にやがれ」と言うと宿を後にして王宮へ向かう。夜中と言う事もあり、街中で人とすれ違うことは無く、王宮まで辿り着いた。
王宮へ入った途端貴族上がりの60人程の騎士団に囲まれ「命が惜しければそのまま帰れ、さもなくば国王陛下直近騎士団として貴様の命を貰い受ける!!」と剣を向けられる。それに対しクラウドは怒り始めた。更にその騎士団の団長らしき青年より「傭兵如きが我々の様な高貴な血を受け継ぐ騎士団に勝てるわけが無い、投降しろ!!」この一言により、クラウドは激怒した。
「…ここまで頭に来たのはガキの頃以来だ…楽に死なせて貰えると思うな?」とクラウドが言うと騎士団がクラウドに斬りかかる。クラウドは騎士団員の初撃である縦斬りを半身だけ動き、躱すと斬りかかってきた団員へアッパーを放つ、当たると共にドゴン、と言う音が響き、殴られた団員はあまりの威力に身体が宙に浮き、前傾姿勢で動けない所にクラウドのかかと落としが降ってくる。ゴキン、と言う骨が折れる音が辺りに響きわたる。クラウドの近くにいた騎士団員達はクラウドの最低限の身のこなしで攻撃を躱し、たった2発で鎧を着込んでいる味方を戦闘不能、いや、もう二度と立てない様にしたのを見て恐怖し、動けなくなっていた。その騎士団の姿を見てクラウドは鼻で笑うと次から次へと騎士団達を殴り、1人、また1人と立ち上がれないようにしていく。
20人程が抵抗も逃げも出来ずに倒されていく中騎士団長らしき青年が我に返り、「魔法も使えない底辺人種に圧倒されるな!!我々は貴族や国王を父に持つ上級人種だ!!近寄って勝てないならそいつが手を出さない距離から魔法で殺すぞ!!」と言い、クラウド目掛けて火の中級魔法である火球を放つ、その姿を見た周りに騎士達も我に返り、剣をしまい、魔法を放つ準備を始める。
団長である青年の初撃はクラウドの足元に当たり、クラウドへダメージを与えることは無かったが何故かクラウドは動かなかった、そのクラウドを見て騎士団員達は「魔法に恐慄したか!!底辺人種め!!我々上級人種に逆らったことを後悔しながら死ね!!」と言いながらそれぞれが得意とする魔法を次から次へとクラウドへ放つ。するとクラウドは近くに倒れている騎士団員の足を掴むと放たれた魔法めがけて騎士団員を投げる。当然だが全ての魔法は投げられた騎士団員に当たる。クラウド自身はその為ダメージは全く受けていないが投げられた団員は絶命した。
仲間を殺してしまった事により騎士団員たちの動きが止まるとクラウドの笑い声が聞こえる、そして「底辺人種だァ?上級人種だァ?…ククク…どこの国も救いようがねぇなぁ…」と言う言葉が聞こえると同時に先程とは比べ物にならないほどの殺気が辺りを漂う。「遊びは終わりだ…テメェらはとことん酷く殺してやる」と言うとクラウドは王宮の床が壊れる程の脚力で騎士団へと肉薄した。
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