くノ一シャリカ

碧い空 Lotus

第1話

「こんな老いぼれも惚れてなさっちまってよへへ」

単発の無精髭を生やした下級武士のなかでも、悪臭を放つ、爬虫類のような嫌らしい目で、それを、したなめずりして見ている。


鉄格子で、鎖に繋がれた年端も行かない小娘は、次の瞬間、男から、鞘を抜き取り、無言で、胴体の腹を真っ二つに、かっさばいた。


その女は山姥かえたひにんのように、みすぼしく、髪の毛は、縮れてついさっき、殺した男や、ほかの、やつらに、なんども、身体をゆるしていた。


そんなことは、どうでもいい。


目の前で、殺された男を見ていた下級武士は一瞬怯んだ。


その瞬間、女は男の首をかっさばくと、女は冷たく凍りつく声で


悪意に満ちた笑みで微笑み、


これは、男の精液を吸いとって弱る姿見るよりも、俺にとって、快感らしいな?


そういって、無表情できりとった頭部の頬っぺたの知をなめて、幽霊のように微笑んだ。


「人殺し~」


そこにたっていたのは、鎖ががまの忍者死刑囚、柳圭一郎だった。


「ククク、面白い女だ。なをなんという」


「俺はなをもたぬ悪魔だ」


柳は、相当この女が気に入ったらしく、


「ははは、いいぞ、命は助けてやる。お前を世界一の裏切りの殺し屋に、してやる、お前に決定権はない。俺についてこい、お前の名前はシュラだ。今日から、くノ一シュラだ、喜べ、お前が、女として生きるのは今日が最期だと思え、悪魔よ、最強の悪魔に育ててやる」


シュラも、笑った。


「面白い。そのときは、俺がお前を殺してやる」


その瞬間、気に入らなかった男の柳は女のシュラのみぞおちを殴り気絶させ、屋敷を後にした。


みんなしらなかった。


この女性がとある伝説の国の王妃として君臨し、神としてあがめられていたことを?


そして、西洋の愚者の、博士によって、脳をぎゅうじられていたことも、このときだれもしらなかった。


この女の、真の姿を知るものは、いまでは、誰もいない。


たたなづく山々にこもりく

陽炎のたつ 日輪よ


勾玉通し たま飾り


麗しおんちょうの御光よ


まことの真心持ちて


御世に尽くします


いにしえのなかつくに


照らしたまわりた


まことのひかりよ


いにしえの太陽がてらしはじめるわれらの御霊を




いにしえの森に人を寄せ付けぬ、太古の生き物の世界があった。


彼らは人間に復讐心をあらわにするものがあったが、その森の村の姫様は、そのけものたちに、愛されていた。


しかし、姫様は、人質のために、みずからをぎせいにして、森を守るために、村の捕虜として、南蛮人の科学者一味に連れられて、村を後にしていた。


そこで、薬付けにさせられ、本来の大和魂としての力を封印されると、ドクターマモーは、薄ら笑いを浮かべ、悪神のサイコパスの女神がもう少しで、かんせいするぞ、と期待していたところを、弥生人の残党狩に、合い、ドクターマモーは、ひとりだけにげ、南蛮人は襲撃でことごとく殺されると、洗脳された村の王妃をつれて、未完成な悪魔のまま、奴隷として売りに出されていた。


その弥生一味の山椒親分はいった。


「ばかやろう、おなご一人に殺されやがって、店の客が、おんなをかっさらっただと、ばかやろう、のんきなこと抜かしやがって、なんとしても、つれもどしてくるんだ」


風雷門 雷雷門、わかったな?


身長3メートルの大男は、「まかせてください。兄貴、美味しい獲物は、とりもどりますから」


そういって、時速40キロで、柳圭一郎と、修羅のもとへ向かった。


一方、森の神を崇める百獣の王の神の僕の林道徹は、碧白いライオンに化け、牙をむき出しに、父なる黄金のライオンにひざまづいた。


「 徹よ、居間こそ、野生の牙をひんむき、この森の王女をうばった西洋人と弥生人を、ひっとらえるのだ」


はい。



柳圭一郎が下駄で、高速で移動していたとき、突如、人質のシュラが、大きな狐や、山犬にばけて、柳のかたから降りた。


シュラは、つきを見ると山犬にばけてしまうのである。


そこに、風雷門と、雷雷門が、現れた。


「女はどこだ」


といった瞬間、


忍法、月封じの魔笛


ととなえ、


えさをなげると、


「女はここだ」


といって、山犬のえさのようなものと一緒に二人は噛み砕かれて死んだ。


エサを食べた山犬は真っ青になって、動物としてのじふうをうしなうと、そこに、いたのは、毛皮につつまれ倒れたシュラだった。


ほう、おもしろいが、おれにかなうかな?


そういうと、忍法を教えに、自分の屋敷に女を連れ込んだ。


碧ライオンこと、林道徹は、侍に化けると、柳圭一郎の屋敷をとらえた。


闘いは柳圭一郎と、林道徹の真剣の一騎討ちになった。


その瞬間、林道徹の脛椎を気絶させた男がいた。


柳圭一郎は、言った。


お前は何者だ。


俺は、この、国の主、松平京一郎だ。


何!?


この、碧いライオンはわしの家臣のナンバー2にする。いま、けものわすれのひこうをついたので、やつは、もう、あの森には帰らない。


これも、西洋の石屋さまの命令によるものだ。


お前も勝手なことをするでないぞ。


かしこまりました。松平さま。


そうして、王子の林道徹と、姫のシャリカ(シュラ)の禁断の恋はもどれるのであろうか?


次回


国王に拾われた王妃

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