キョートの陰謀
「話は聞かせてもらったわ!」
キョートのイケダ屋という宿の2階。
聖女と魔法使いが密談をしていた時に大きく襖が開いた。
襖の向こうにいたのは。
セーラー服、その腰に剣を履いた女性。
「将軍様が結婚するなんて許さない!絶対邪魔してやるんだから!」
「あ・・・え・・・?どうしてここに?」
驚く聖女が聞いた。
「招待状が届いたのよ!わざわざ向こうの世界に!嫌味なのかしら!」
賢者としては、悪気はなかった。
ただ単に、日本でお世話になったお礼のためである。
借りたお金も返さないと思っていた。
ただの、善意である。
「それで、いい案はあるの?わたしらではどうしようもなくて・・」
魔法使いが途方に暮れたように言うと、異世界の勇者は胸を張り自信有りげに答える。
「あの勇者と将軍様を引き離せばいいんでしょ?だったら、私があの勇者と戦って倒して見せるわよ。その間に将軍様を連れ去ってほしいの¥
「連れ去るって・・・あの将軍を・・?」
「眠りの魔法とかないの?こっちの世界には?」
魔法使いは、ぽんと手をたたいた。
「そうね、賢者様には効かないから考えていなかったけど将軍様にだったら効くかも・・・」
「でも、勇者様と戦って勝てるの?」
聖女は信じられないといった表情で異世界の勇者に聞く。
「どうせ、聖剣(小狐丸)は将軍様が持っているんでしょ?聖剣を持っていない勇者なんて私の敵ではないわ」
異世界の勇者は腰の聖剣を叩いて笑った。
「そうなの・・・でも、勇者様が万が一大怪我したりしたら嫌よ?」
「ちゃんと手加減するから大丈夫よ」
笑いながら、胸を張る異世界の勇者。
自信たっぷりである。
「で、どこかいい場所はないかしら?広くて戦うのにぴったりなところ」
すると、魔法使いはは地図を出して壁に貼る。
そこに、聖女がダーツを構えて・・・投げた。
「ええ・・・と。何をしてんの?」
戸惑う異世界の勇者に、聖女が大真面目に答える。
「勇者様の次の行き先を占ったのよ」
ダーツが刺さったその場所・・・
魔法使いが告げた。
「勇者様が向かうのは・・・ナラですね」
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