巨人の門番
バブみ道日丿宮組
お題:どす黒い巨人 制限時間:15分
巨人の門番
「あれが……門番?」
「そう。あれがいるかぎり、この街からは出られないんだ」
「警備員みたいなものかなぁ。話とかできないの?」
「君は別の世界からきてるのは知ってるが、そこでの知識は当てにならない。ここはあくまでもここの世界だけのものだからさ」
「ふーん。そういうものかなぁ。でも、私の経験だって捨てたものじゃなかったでしょ」
「確かに待遇はかなりよくなった。入らなかったものがいろいろ入るようになったよ。でも、だからといって、あの門番をどうにかすることはできないよ。最悪死が待ってる」
「巨人だものね。踏み潰されちゃうかもね。ファンタジーだよね、巨人がいるなんてさ。ネコミミとかうさみみとかこの国以外にはいるのかなぁ」
「どうだろう。文献にはいろんな動物がいるって書いてあるが詳細はわからない」
「巨人がいるんだもの、いた方がいい」
「いるとしても見ることはできないだろうね。入るには資格が必要だ」
「その資格をなんとかすれば、外にも出られるんじゃない?」
「……それこそ不可能だ。王族とごく一部の商人にしかそれは付与されない。いわば管理されてるんだ」
「監視されてるみたいであんまいい気分しないね」
「そうだね」
「もしかしたら、私はデータに入ってないからもしかしたらいけるんじゃない?」
「君のデータはないだろうけど、不審者情報として登録はされてるんじゃないかな。そのうちおそらく政府の人間がやってくる」
「そしたら私を差し出すって?」
「まさか。恩人を売るようなことは僕たち孤児院の人間はしないよ」
「へへへ、ありがと」
「なんにしてもこの街から出られないってことは絶対なんだ」
「なんとかしてみたいね。面白そうだし」
「止めたほうがいいっていっても、君はするんだろうね」
「わかってるね」
「もうかれこれ数ヶ月君の奇行を見てるからね」
「あはは、褒めないでよ」
「褒めてないから。じゃぁ、今日の回収作業しようか」
「そうだね、いこっか」
巨人の門番 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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