レストラン

バブみ道日丿宮組

お題:記録にないぷにぷに 制限時間:15分


レストラン

「世の中には誰オシだとか、何かが好きだとか、オタクだかと騒がれてるかもしれないが僕は違う。コレクターといってもいいぐらいにペットボトルの蓋を集めてるんだい」

「コレクターもオタクも同じようなものだと思うな」

「なにを! 収集者とゲテモノ野郎とは血の色が違うぞ!」

「赤か白かのワインみたいな論争だね。個人的には青色の飲み物が好きです」

「お前の好みなんて聞いてない!」

「ほら、声のボリュームを少し下げて……ここレストラン」

「そのレストランにどうして僕がいるんだい?」

「記憶障害になりましたか?」

「わかってる。わかってる。君がここに特別なおもちゃがあるからってさ、ついてきたんだ」

「覚えてるじゃないですか。安心しました」

「なんだい、僕が痴呆にでもなったのかと思ったのかい。まだそんなものにはならないJKだぞ。そうJKを連れてレストランに入ったんだ。これはカップルの一組にでも思われてるだろう」

「それはないんじゃないですかね? よくて親子ですね」

「なにを!?」

「あなた小さすぎだし、私は紳士っぽいし」

「なんだい、男に見られたい趣味でもあったのかい?」

「ないですよ。たまたま容姿がそういうふうにみられるだけであって、心も女性ですよ」

「はぁ……いやだねぇ。こんな大人にはなりたくないよ」

「何に悪態をつかれてるのかはわかりませんが、本題に入りましょう」

「そう! 特別なおもちゃ!」

「嬉しそうで何よりです。あなたがトイレに行ってる間に頼んで起きましたよ」

「おぉ、それは大層な軍配じゃないか。待ち時間がよりいっそう減るじゃないか」

「お客さんほとんどいないし、あまり変わらないような気もしますがね」

「繁盛してないのか」

「だからこそ、レアリティの高いグッズが存在してるとも言えますね」

「そうか。そうとも言える」

「だから、落ち着いて待っててくださいね。あと怒らないでくださいね」

「? 怒る要素なんていまのところないであろう?」

「ものがお子様ランチですからね」

「お子様ランチ……?」

「はい、そうです。お子様のランチです」

「……帰る」

「帰られないでください。食い逃げは犯罪ですよ」

「この歳でどうしてお子様ランチが食べれよう?」

「見た目はわからないですよ。それに特別なおもちゃが手に入るのは本当のことです」

「……なら我慢する」

「はい、ではまずこの入場特典で遊んでてください。飲み物とってきますんで」

「なに、このぷにぷに? 肉球? 唇? 胸? おしり? たんこぶ?」

「何を想像するのも勝手ですが、あまりへんなことを言わないようにお願いしますよ」

「ーーパンケーキ食べたい」

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レストラン バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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