03 学校祭準備
入学して2日で仲良くなった
クラスごとに練習場所が割り当てられていて、幸運にも1年1組は玄関前だった。校舎の影で日は当たらないし、程よく風も吹く。6月下旬の暑さにはピッタリの場所だ。隣には最近話すようになった
時間を忘れかけていた頃。ふと顔を上げると、時計の針が2時を示していた。
「あ、そろそろ教室に戻らないと。」
私の呟きを合図に、それぞれが片付けを始めた。
しばらくして、クラスTシャツを着た先輩方が玄関に戻ってきた。もちろん、どこのクラスか分からない。それでも見覚えのある先輩がいた。私は無意識に手を止め、真っ直ぐに見つめていたらしい。
「
「
「あ、あの人? こんなに暑いのにセーターだなんて不思議だね。」
「確かに、なんでだろう……。」
「ちょっとー。2人で話してないで、芹那も話に入れてよー。」
久しぶりに菫さんを見れた嬉しさと、2人の友達に囲まれている幸せに、思わず顔が緩んだ。今日は良い日だ。もし菫さんと話す時が来たら、今日のことを聞いてみよう。そう心に誓った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます