第75話

「あなたの適性職業はボディビルドトレーナーです。」


「ボディビルドトレーナー?」


「似た名前の職業でボディビルダーというのがありますが彼らは自分の身体の成長の行く末を予想できるようです。あくまでも私の予想となりますが他者の身体の成長の行く末がわかっている気がしませんか?」


神父様の言う通り、俺は何故か勇者となった幼馴染の成長していく身体の行く末がある程度見えていた。

ちなみに現在見えている行く末は筋肉ムキムキのガチムチ幼馴染だ。

俺の好みはたまにくる行商人の姉ちゃんや巡礼の旅とかで度々ここを訪れる修道女みたいな胸のデカい人だ。

なんでも胸のデカい女性は需要が低いらしくモテないから仕事をしていると聞いたけどあのフカフカの胸に身体を埋める家のベットなんか比べ物にならない柔らかさは捨てがたい。


ちなみに俺の未来はきちんとイケメンになるように毎日修正しているぜ!


「わかんねー。」


「でも身体を日々鍛えたいのでしょう。」


「鍛えたいとは思ってないっすよ神父様。」


「ではあなたは何故鍛錬を続けるのですか。」


「わからないっす。でも今のうちに鍛えろって思うんす。鍛錬はやってても楽しくありません。」


神父は少し考えるように顔をしかめた。


「○○君は少し私と話してもらいたいので適性の儀が終わりましたら私と一緒に来てください。」


神父はそういって並んでいる子どもたちの適性の儀をどんどん行ていった。

皆様々な適性の職業を得ていくが誰も知らない職業を得たのは俺ともう一人の幼馴染だけだった。

神父は適性の儀を終えると応接室に連れてきてくれた。

そして応接室にある本棚から1つ本を取ると話を始めた。


「もしかしたらなのですがボディビルドトレーナーは未来の予想図が解るのかも知れません。私は今でこそ世界樹教の司祭をやってはいますが以前はその前進の精霊教の司祭でした。私の適性職業はシャーマン、様々な精霊から力を借りたり話を聞くことが出来ます。世界樹とも話すことが出来ますがアレの本質は圧政を敷く国を牛耳るモノと同じものです。もうじき戦争が起きるでしょう。」


「知ってるみんながやせ細る未来が見えかけてるから。」


「やはり見えていたのですね。」


「見えてはいないです。予感ってだけです。神父様も大丈夫ですか?あんなこといっちゃって。」


「構いませんよ。ほら窓の外を見てごらんなさい。」


窓の外を見ると見たことも無いお花畑が広がっていた。


「ここは精霊界、シャーマンの職に就いたものでも弛まぬ鍛錬を怠らないモノにのみ開くことが可能な門です。精霊教が世界樹教に変わった際にだいぶ術者が減りましたが今でもなお受け継がれる真実のみが許された現実との境界線です。ここなら聞かれても大丈夫なモノしか来ませんので安心なのですよ。」

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