第35話
「今日も畑仕事頑張るぞ!」
「「「Sura!」」」
鳴き声を習得したスライム三粘衆はユートの掛け声とともに砂遊びを開始する。
「ガンサムたちも手伝ってよ。」
いつもならガンサムは進んで手伝ってくれるはずのなのに今日に限っては砂遊びをしている。
「まあいいや、スミスは後で草生える奴をやってみてね。」
「「「Sura!」」」
元気だけはよく返事をする。
スライム三粘衆は昨日のユウゴの話を聞いてユートが建てるならどんな城がいいのか一緒に相談し始めていた。
そしてアレがいいコレがいいと話し合っているうちに自分たちで砂のお城を造りどれが良いかユートに選んでもらおうと考えていた。
村長の家から城名鑑という図鑑を盗み取り各々が城を建てていく。
メタルスラ坊ことガンサムは要塞のような城をイメージしているの岩盤を削り出し支柱を組み作り上げていく。壁や床に該当する部分も一つの岩盤から削り出して作り上げているようでかなり頑丈そうだ。
緑スラ坊ことウィリアムスミスはユートの耕した一部の畑から雑草を生産してそれを食いちぎりペタペタと組み上げている。そして出来上がったものから水分を抜き取って木のような状態にしたてあげていた。
赤スラ坊ことピグミーは正攻法で作るのか砂の一部をレンガ状に重ねてどんどん組み上げていく。支柱になるような部分に対してはガンサムやスミスからもらったりしているので中々出来が良さそうな城の完成になりそうだった。
三者三様に砂遊びの次元を超えているしガンサムとスミスに至っては砂遊びですらない。
そんなことを知り得ないユートはひたすらコレからのことを考えながら畑を耕し芋を植えていく。
「おいユート持ってきたぞ。」
親父がデスカンク退治から帰ってきて直接畑に来たのか麻袋いっぱいになったコウモリの糞を持ってきてくれた。
「なんだなんだお前ら今日はユートの手伝いをせずに砂遊び……城作ってるのか?」
畑に来てみたはいいがユートは遥か前方にいるし手前にいたスライムたちが何やらしていたので近寄ってみると中々できた城を作っていたので少し観察していた。
「けどガンサムっだっけか?メタルスライムが作っているのは城には見えねえな。」
他の2体は城だとわかる建物だがガンサムのは城には見えなかった。
「スミスのは数奇造りってやつか?」
日本家屋のような作りで城というよりかは屋敷に近いものを組み立てたスミス。
「ピグミーのは……マジかよこの国の王城よりも現実的で効率的な城で何より美しい城じゃねえか。」
要塞のようには見えなくとも戦略的な罠を張れる場所を所々に配置しつつ畑も居れてありこの不毛の土地の地形に合わせて考えられた城だった。
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