第34話
「城ってどうやって建てればいいの?」
「まずはどんな城にするか決めないといけないな。」
「どんな城?」
「建てる材質だったり外観や構造でも全然違うものが出来上がるぞ。村長もその辺は詳しいから聞いておくと良いだろう。」
偏に城と言っても沢山の種類がある。
元々砦という意味が強かったため防御力を高めたりしてモンスターや人間と言った脅威から民を守ってきた。
「城って言うのはな自分の家であって、守るためのモノでもあるんだ。」
「守るためのモノ?」
「そうユートの護りたいものを守るためのモノだ。」
「畑のこと?」
「そればっかりはユートが決めることだから俺にはわからない。でもきちんと考えろよ。守りたいものから護れるようにな。」
ユートは意味が解っていないのかかなり考えている。
まだまだ青い果実のような一面がある反面次に繋げられるように土壌の準備をしっかりと整えようよ葉を降らす。
不安定なように見えて準備を少しずつやっていく様子を見守るしか親としてすることは無い。
もし子が迷ったときは静かに手を差し伸べるのかそれとも彼の判断に任せるのかはその時々によって変わるが今は大事な時だ。
後悔のない決断をさせるには他人に委ねない決断を覚えさせる必要もある。
もちろん大きなことをするときは親としての経験を話すことはする。
あくまでも相談には乗る、でも決断するのはユート自身だ。
自身が無いから相談するのはもちろんユウゴ自身あったしわからないこと情報が少なすぎる場合も頼れる仲間に相談していった。
「うーん、わかんないから畑がどうにかなってからにする。」
「そうだな。まあ先が長いことを考えてもしょうがないし今をしっかりやっていくか。」
もういい時間のため畑仕事をせずに家に帰り夕食を食べていた。
「親父は明日何をするの?」
「明日はモンスター狩りだな。またデスカンクが暴れているらしい。」
「じゃあ親父は洞窟に行くんだよね。」
「そうだがどうした?村長の言ってた肥料はあれで充分だって言っていたが……?」
いつも害獣になるモンスターを狩りに行っている親父は俺が仕事のことを聞きにくることなど無かったため疑問が大きかった。
ユートはいつも開拓に出かけていて食事が終わるとすぐに寝てしまうし食事の時の会話も少ない。
こんな風に自分の仕事について話すのはかなり久しぶりだった。
「うん、洞窟の蝙蝠の糞を肥料にしたいから持ってきてくれないかなって……。」
「わかった捨てても良い麻袋に入れて持ってくるけどどのくらいあればいいんだ?」
「うーんわからないからとりあえずいっぱいちょうだい。」
「わかった持ってこれるだけ持ってきてやるよ。」
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