第15話

「んで村長、デスカンクはどこにいるの?」

「ふむ基本は洞窟などに生息しておるのう。」

「洞窟?近くには来ないの?」


デスカンクは親父が良く駆除依頼を頼まれるモンスターの一つだ。

洞窟を住処とするならそうそう人里を訪れないだろうし疑問が浮かぶ。


「デスカンクは夜になると作物を荒らしてしまうんじゃよ。」

「夜?」

「そう夜行性という奴じゃな。」

「夜行性?」

「ユートは夜の間は寝てしまうがデスカンクは昼に寝て夜に起きる生き物だということじゃよ。」


昼は絶好の開拓時間なのになんでだろうと思いつつそういう生き物も居ると一つ賢くなった。


「ふむ、まあ理解できぬかもしれないがユート太陽は眩しいかの?」

「眩しいよ。」

「そう眩しいんじゃよ。全てがそうではないが夜行性の生き物は太陽が眩しすぎるんじゃ。」

「そうなんだ。」


確かに太陽はギラギラと眩しく暑苦しいと思う時もある。

デスカンクにとってはそれが年がら年中感じるんだろうと納得していった。


「デスカンクってなんとか食べれるようにならないの?」

「無理じゃな。」


即答だった。

というか絶対食べたくないという意思が伝わってきた。


「わしはな国一番の臭いチーズを食べたことがある。」


喋るのも恐ろしいというような表情で語り始める村長。


「あれはひどいニオイじゃった。そうまるで肥溜めを何倍にもしたようなニオイじゃ、だがアレはそんなチーズが天国の食卓に思えるくらいのニオイなんじゃよ。」

「それを今から狩りに行くんだよね。」

「そうじゃ、ユート任せたぞ。」


まさかの押し付けるためだけに来たパターン?


「やだよ。」

「スライムにやらせればいいじゃろうて。」


と村長の言っていることも最もな話なのだが……


全力で顔を横に振るスラ坊、赤スラ坊、メタルスラ坊。


「おぬしら、まさかわしに行けというのか?」


コクコクコクコクコクコク×4


「く、仕方あるまいやってやるわい。だが手本を見せるだけじゃ。」

「村長が全部やってくれるんじゃないの?」


ユートの言葉に呼応するようにスラ坊たちがおかしいなぁとでも言うかのように顔を傾げる。


「白々しいのおぬしら…。おぬしらも気持ちもわからんでもないが特にユートはこれから一人でデスカンクを狩りに行くんじゃぞ。」

「う。」

「もちろん狩りに行かんでも良いが、おぬしも開拓民、開拓者を名乗りたいのなら自分自身で土の改善に取り組んでみい!」


村長の喝を入れるような言葉に再びやる気を出すかに思えたユートに思えたが……


「く、臭い。」


洞窟の時点で恐ろしすぎるほどの悪臭が鼻についていた。

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