第6話

「通常種から上位種に進化するってスタンビードの前兆じゃないか。」

「普通はのう。」


そもそもモンスターは種族的に進化はするがそれは種の絶滅を免れるために進化する。


「そもそもなかなか見ないはずの上位種が複数居るだけでも異常なことにお主は気づいておらんかったしのう。」

「た、確かに……」

「一流のハンターだったお主もその腹と同じでだらしがなくなっておるのかのう。」


村長はこれこれと親父の腹を杖でつつうとしていた。


「ねえ村長、ハンターって何?」

「ほれほれ。」

「おいクソ村長やめろ。ユートが質問しているだろ。」


親父の腹をつつくのに夢中になっていた村長はやれやれしょうがないと言った感じでつつきながら説明をし始めた。


「まあ簡単にいえばモンスターを退治する専門の仕事じゃよ。」

「へえ、親父みたいなのでもなれるんだ。」

「此奴はその手の一流とまで言われた奴なんじゃがのう。」


今ではその見る影も無いただの中年親父だ。


「村長にユートも残念そうな奴だなって言う目で見るな。そして村長はいい加減俺の腹をつつくのをやめろ。」


ユートと村長は無視した。


「とりあえず此奴の話は良い。ユート君は吟遊詩人の話をあまり聞いておらんかったようじゃからのう。」

「いいよ。そんなの僕は畑を耕すのに忙しいしそれにもうお昼過ぎちゃったからご飯食べたい。」

「それもそうじゃのう。スライムたちもつれてくると良い。」

「村長、俺は反対です。上位種のスライムを二匹も村に入れるなんて……」


あくまでも村の安全ということを考えるとスライムの上位種2匹いると思うとぞっとする。


「大丈夫じゃよ。ユート君とこのスラ坊たちには対等な関係を築いておる。スライムテイマーの儂が言うんじゃ間違いない。」

「しかし村長、テイマーの技能では相手を屈服させるだけの力が必要なのでは?」

「確かにおぬしの言うことも一理ある。じゃがしかし、ユート君の適性職業はトレーナーでは無かったのかのう。」


テイマーとはあくまでも主従の関係、テイマーでないのなら主従の関係ではないと言えるのもまた道理。


「しかしそれでもまだわかっていないことが多すぎます!」

「ふむ確かにのう。」


親父は乗り気ではないらしいが俺はかわいらしいスラ坊たちしか知らないせいもあるのだろう。


「これで他の村人に何かあったらどうするんですか!」


親父は村の危機に成りかねないと思っているらしい。


「ふむふむ、なら聞くがのう。この2匹のスライムを死ぬことなくおぬしは倒せるか。」

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