七夕


織姫様と彦星様

会えるその日まで耐え続けた二人

叶える願い事は唯一つ

熱帯夜の夜空に輝く一等星

炎天下の陽炎を嘲笑う混沌も

秘密基地を守る雷神も

等しく扱う天上の夫婦めおと

決めた

叶える願いはこうしよう

終わる世界にせめてもの思い出を

忘れる事の出来ない一生分の思い出を

君たちにあげる

それが一時でも幸せになれば

きっと君たちの人生は無駄じゃなかった

はしれ少年少女達

一時も無駄にできないぞ

夫婦は天の川をわたって逢瀬を楽しむ

世界の終わりなど関係ないように

二人は一年に一度、一生に最後を生き抜いた

世界が終わる夏の七夕

星に願いを

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