炎天下の秘密基地の戦い


廃工場にて

決戦の日来たれり

来るはテュポーン

夏を守るため集まった少年少女

この熱気は誰のモノ

大停電の日

雷霆の主は現れる

子供達はゼウスと呼んだ

ゼウスとテュポーンとぶつかり合う

誰かが化け物だと言った

誰かが英雄だと言った

誰かが神々の戦いだと言った

その日に廃工場は無くなった

更地を前に少年少女は俯いた

ゼウスは語る

「一緒に行こう」

少年少女は顔を上げる

「お前がやったんじゃないか化け物め」

ゼウスはただ友達が欲しかった

それは叶わぬ遠い夢

その力は壊す事にしか使えない

世界の終わるその日まで

彼の夢は叶わない

そう思った

少年少女の一人が前に出る

「一緒に行くよ」

それが初めての友達だった

これは世界を救う物語

友情と夏と雷と混沌を織り交ぜて

きっと黒い太陽を討ち倒し

世界は炎天下を迎える

陽炎に揺らぐその日まで

あと少し

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