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カウンターの方へ黙礼してから図書室を出る。

人の少なくなった廊下を屋上へ向かい歩いていく。

屋上は3階からの階段を登った先。

今どきの学校にしては珍しく、屋上は鍵がかかっておらず、夜間を除き開放されている。

物語だとよく舞台にされる屋上だが、実際には開放されていても殺風景な上、風は強く、清潔とは言い難いためあまり利用されることはない。

毎年新学期になると新入生が屋上に来て、しばらく経つと誰も来なくなる。そんな場所。


屋上へ着いたあとのことを考える。

この期に及んで、この呼び出しが何を意味するか、わからない人はいないだろう。

直接関わったことはあまりないはずだが、相手は人気者の美少女。

受けるのか、それとも断るのか。


屋上へと向かう階段へ辿り着く。

普段あまり人があまり来ることもなく掃除されていないその場所は、砂や落ち葉が乱雑に散らばり薄汚れていた。

階上からは風が流れ込んでくる。おそらく屋上への扉が開いたままなのだろう。

少し高まる期待を胸に階段を登っていく。

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