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あっという間に授業が終わり放課後。

周りのクラスメイトも各々の用事へ向かい、席を立っていく。

多くの学生にとってはここからの時間が本番だろう。


荷物を整えて席を立つ。

向かうのは図書室。

放課後は静かな図書室で読書をすることが僕の趣味の1つだ。特別な用事がない限り、そこで本を読む時間をとるようにしている。元々本を読むことが好きというのもあるが、日課として時間をとることで他の誘惑に惑わされず本そのものに集中できると思っている。


廊下を歩く。

友達と談笑する人や部活に急いで向かう人など、それぞれに放課後を過ごす生徒たちとすれ違っていく。

窓の外に見えるグラウンドには既に何人かの生徒が出ていて、部活の準備を始めていた。

今のクラスは3階だが、図書室は2階の廊下の一番端。やや遠いが、おかげで放課後に部活をする運動部の掛け声の響くグラウンドや体育館、文化部の部室からも離れていて、図書室はいつも静穏を保っている。


今読んでいるのはラブコメ小説。ジャンルを問わず色々な本を読むが、中でもラブコメ作品は好きで、最近はラブコメばかり読んでいる。

特に学校が舞台のいわゆる日常系ラブコメは、リアルの自分と重ねて感情を移入しやすい。主人公の心情はもちろん、その時の場所やシチュエーションなど、現実と比較して違いを楽しめるという点も、自分の経験したことのない物語を楽しめる本の良いところだと思う。

物語の中と現実の世界を重ね合わせて読む。そういう楽しみ方が好きだった。



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