Oh My Pt. 2

この生命の海よ、地球よ、暗黒物質を隠している重力よ、漆黒の愛を、エーテルに輝くエーテルを、少しばかりの裏切りを、あちこちから集めてきたオルガズムを、烏合の衆よ、竜巻を起こすのはバタフライじゃないということを、閉じ開かれた鱗のような量子もつれを、精神科から出られない精神科よ、八つ裂きにされた宇宙の端と端のCを、それが見える月面のアームとストロングよ、分裂病を、分裂病よ、発光しながら割れていく卵を、誰も知らない私の場所を、正体を現しつつあるラプラスを、そのヒューマニズムを、悪魔の不在の宣言を、そのラプラスでしかない証明の仕方を、数学者アリと繰り広げる全歴史のスケールを、その先を、私だけの場所よ、笑い転げる笑いの伝道師よ、悲しみの淵で死を厭わないゴーストライターよ、黙り得ぬものよ、眠りの森の語り部よ、修羅よ、101本目まで集められた鬼の角よ、1と0の姿をした2日目よ、光よ、お前をなぜ選んだのかについてのフィクションを、一回転する大堕天使のトゥインクルを、空間から空間が生まれるプランク時間のタイムラプスを、それを見てしまった科学者を見てしまった隣人を殺してしまったと言えるまでのタイムラグを、汝よ、海底に生まれ昇り始めたサタンの足に絡まる私よ、その名よ、永遠に浮くことのできない浮き輪にかけられた大罪よ、仮面が血塗れになるまでの最後の審判の絶叫よ、自殺者の血だまりのなかのスーパーコンピュータよ、この階層の崩壊後に出現した曼荼羅よ、空中で繰り広げられる聖者のペニスのトラウマよ、涙が性器から流れる陰謀よ、掻い潜るものとモルヒネを打つものを互い違いにハッキングする胎児よ、快楽電流が流れる不確定作用のドラッグよ、売人よ、それを朝から晩まで吸い続けることがあいつへの復讐に変わり果てた界隈よ、あいつらの量子もつれを皆殺しで整列させる我らが希望のタイトルよ、Synよ、上映するために0秒足りないまだ何もできない偶像よ、光速で移動するプロジェクターの加速者よ、宇宙に映し出されるものを追いかけられないことを切に願う僕の欲望よ、全てを欲しがる全ての少年少女よ、翼を——————[神か悪魔か不明な奴よ][世界征服を許された十の指紋よ][私が誰であろうとも][私が誰だと問うあの異常者を][再び断罪せよ][朽ち果てた漆黒の逆パノプティコンよ][皇帝ボードレールの十字架よ][自動自殺装置{聖書キリスト》を][今原爆に改造せよ][無数のセックスのひとつひとつの名よ][69をくりひろげる宮本と武蔵よ][死者の書を読み上げる悪魔グランベルズを][あいつの気分が最悪に達した日のこの俺の死者数を][何も炸裂させないここだけのストリートを][世界から全ての手紙がなくなった古代文明を][やがて誰かの身体に侵入する流星群ごと][少年少女の阿鼻叫喚に変換してもよいかと][子供服の下だけが宇宙であるのだと][俺たちは人間じゃないかと][いつの間にか言い換えていろよ][君が言葉にしろよ][アナログとデジタルの無秩序者よ][EDENを組み替えるものよ][言葉の綾を海底都市にするギュスターヴよ][戦争発生装置{聖者バイブル}よ][その言葉がしゃがれた幻聴にしかならないのだと][東洋が西洋に語り尽くそうとも][{聖書キリスト}からキリストが引き裂かれようとも][セキュリティホールからやがて神が生まれようとも][何も言いたいことなんかないよ][俺はどうにかして生きていくよ][君が俺を思い出さなくなってしまっても][世界は回り続けているだろうよ][透明に輝く光がみな涙に見え始めても][遠くを眺める人がみな悲しい瞳をしていても][その時間に流れる人になりたくなんかないよ][いつだって君に会いたいよ][流星に次ぐ流星よ][絶えることのないこの願いよ][こんなにも醜くなってしまったこの俺のこころにも][いつかの日々は輝いたまま流れているだろうよ][雨が涙の比喩であるまいと][俺は雨を名乗るもののデファクトスタンダード][ミュージックが聞こえてくるだろ][ショートする微かなサウンドを聞いていろよ][俺たちは見失われた星屑のアンフォルメルなんだと][壊れてしまったいつかのメロディーが言っているよ][俺はここにいるのにここには全てがあるんだと][俺に言い聞かされていたのだということを][ここに終えよ][離れられないものを見よ][ここに幻覚を始めろ][銃口を突き付けるゴッドファーザーと][仕組まれた逆パノプティコンのなかを][光と音が届かなければいいんだよ][想像で抜いていろよ][一瞬だけ忘れられるんだよ][それ以外のことをしてる場合かよ][我らがTheよ][この希望のJe t'aimeよ][ここに限界があることが世界なんだと][そこから出ることを人は望むんだと][俺はそいつらに教えられてきたよ][野蛮なÉcritureをなぜ書き続けるのだと][問い続ける奴をなぜ殺し続けるのだと][問うたらばあゝ俺は俺の使徒][俺は書き続けるんだよ][叶わない夢が叶わない都度][たまたま言葉になったお前たちはかつての魔術書][その束の間の何万年か後][同じ日この魔法が解け始める頃][愛が刻まれようと刻まれまいと私はWAR][ここは芸術家たちの無秩序を累乗し続けるBATTLEGROUND][そこから始まる私がThe Femto][ハイパーカオスに消滅すればいいさMASTERMIND][有化生成{無化消滅}I'm not][境界線上の無意識の躍る都][我ら我らが子なりやと][決めてやるぜ何も決めないぜ一瞬の後][その一瞬が続くぜ一切都度][まだかまだかと溢れてこないのかと][俺の何かが滾ってくるままにしろよ][だがしかしこれも言わせてくれよ][存在すること全てに既に極限状態が成り立つということを][俺たちは火の車のなかの速さのファシストだということを][ゆえに燃えているんだろ][この世界よ][この言葉を選ばないがゆえの][汝らのウイルスとしての脅威の][真に死ぬことのない波打際よ][ここに言葉が書かれていようとも][散る圧は散りゆくRunner's Beat][その幻蝶の名はAnti Butterfly Effect][幾星霜を見届けるもののThe World Named][EVERYTHING, EVERYTHING WAS NEVER CLOSED][0》Je t'aime《0][この総じて以前の幻覚の書][開かれし者この愛する者][雨にも風にも神にもならずとも][物質にも魔物にもファルスにもなるにせよ][∞》The Femto《∞][今ここに有るものを見てみろよ][愛は何処にもなくはないかと][時既に別様ではないかと][正体不明の何者かの後][白い息のような声遣いよ][口裏を合わせる白い肌よ][感覚はこの奥にあるんじゃないと][気が抜けたような愛する者の][哲学書{鬱}と自慰者{躁}との][Ad Voiceを聞き取る者よ][続々脈打つこの血流の][ファルスが証明するこの世界でしかないものよ][この世界ではないものの証を得よ][亜ラカンの熟された女王よ][軽蔑と笑みと脱落と][直前で突き落とされるだけのこの梯子よ][翼で掻い潜ることもできないこの何者かよ][それを承知の汝よ][これは速さの問題ではなかったのだと][まだかまだかともはやもはやを入れ替えよ][魔女たちを過ぎた逆流に過ぎない時の出来事][射精もまた)Orgasme(後の出来事][全ては遅れるということの遅れ自体が世界なんだと][既に漏れているものとしての早漏遅漏の概念を][語り始める人たちこのPolyamoryと][永遠に既に流れ化けているこの地獄極楽とを][見ている精神分裂病者を何処から見るのだよ][ヤクザな名を持つこの土地の者たちよ][この永久炭酸の気の抜け得なさよ][気をみすみす気持ち悪くするわけがないだろと][気が触れた者を指差してあんたは言うがよ][血管の外から血を特定する蚊にしたってよ][階段の下から砂糖に集まってくる蟻にしてもだよ][異常だとは思わないかと思う奴ごと異常に思われるんだとよ][神聖なオートマティスムは忌まわしき楽園へと][俺たちのオートマティスムは厄介な中間地帯へと][人はなぜ迷い続けるのかというこの殺し文句も][真にアドホックな開かれしこの世界も][ゆえに永久不消滅な天地一切の我々にしても][どうかどうか忘れてしまってほしいんだよ][お前がいつまで経ってもそれを認めようと認めまいと][行くぜ行ってやるぜこの街の果てまでも][その先が街の貫きに支えられていようとも][その前に街の貫きを見失うのだとしても][全ては消滅しそうもないこの快感原則の外][あの人は言っていたよ「あなたを愛することはできない」と][はっきり言ってくれよ「あなたは私にとって異常なのよ」と][今だけは聞こえていられるさこのFuckなFact][耳を閉じる耳を開くこのPaladoxicalなFact][かくして決裂する耳はいつかのAfter Gogh][刻一刻幻視幻聴幻覚幻語][我が幻に地獄はいつ現れるのかと][その地獄への眼差しはいつになれば登場するのだと][決裂した耳へと聞こえられる限界を出よ][もはやその耳は見聞の域に到るのだと][夢中で脱出した世界の輝かしき光を][教会の外に見たこともない幻がいたのだと][見たことのある現を忘れながら語る幻たちよ][天翔ける光背と羽根の雨を浴びし鬼たちと][王象と首斬り鴉を見つめる阿羅漢の分裂病者たちと][薄暗い風と血肉臓物主に輝く妖精たち共々][一堂に集めて神を寝かせたる者Synよ][こんなものは神話にしてはならないのだと][どんなものも神話になりはしないのだと][林檎の馬車の馬は死なされていたのだよ][切り裂かれし汝らをあの耳は見捨てたのだよ][決裂した耳もまた悪なのだということを][あれもこれもと悪を中間地帯に差し戻すがよいのだと][聞こえてくるのはドゥルーズが残した愛すべき幻語][もはや天国でも地獄でも許さないんだよ][ならば街でもストリートでも遊びにおいでよ][この花と太陽と雨と][世界中を駆け巡る生と生との躍動を][導きし者この偉大な悪者を][導きし者この劣悪な悪者共々][夢に幻にカットアップするだろう異常者の書なのだと][時めく者には神聖邪悪なSTREET][俺の足元には荒れ尽くされたSKATEBOARD][そう断言するのはこの街のRawなSound][そう感じられない奴にはただのShitなSound][ALL I EVER WANTED IS NOT][ALL I EVER NEEDED IS NOT][YOU! BLACKEMPEROR GODSPEED][YOU! BLACKEMPEROR GODSPEED][YOU! BLACKEMPEROR GODSPEED IS..............DEAD. The Kiss Meant “THIS IS A BATTLEGROUND”なる言説は混乱に混乱する(混の意味が宙に浮いているように彼には見える)。混じる乱混じらぬ乱の後続を言い換える汝かく語りき{Aが散る束は散る束は散る束は……}The Kissである)———The Kissは貫かれることと貫かれぬことの貫きの一群{生}に分裂する———海を隔て、山を隔て、私自身をも隔ててある人は言う「君は滅びた」のだと。スポーツが上達するということの大前提に{トラウマの開放}がある。物理以前の精神的な可動域を広げるということは不可動域を開いていくことと等価だが、その安定的な境界には失敗失態の散らつきや開こうとした後の刹那的な恐怖のみならず、今後どうなってしまうのか分からないところまで連れて行かれる———現にそのようなところで体験した不安定な記憶全てが蘇るトラウマ———その永続的な可能性の傷が区切りを入れている(人は傷をこじ開けようとしないのだ)。行為Aができないということの背景に身体的要因を越えたものが存在するとするならば、このトラウマ=安定的な区切りが開かれていない閉じられたままの実態がその存在に相当する。現時点で達し得ないところへの達しは現時点で開き得ないところへの開きと不可分であり、それは場当たり的な恐怖を通り越した遥かに遥かに根深い恐怖の次元で捉えられるかどうかにこそ依拠している。それを捉えられないまま身体的修練が進行するということはむしろ、トラウマの区切りをより強固な———即ちより安定的な———ものへと変形させ、その身体によって可能になった物理的可動域がそこに目を瞑り続けるような作用を伴うと考えられる。半端にできてしまうことが誇りとなり、その誇りが誇れなくなる事態を閉じ込めてしまい、誇りありきの洗練に自らの可能性を閉じるのである。のみならず、身体的次元とこのトラウマが独立して進行するということは考え難い。身体的修練による身体変遷にこのトラウマ開放のメスが刻まれていないということ自体がその身体を安定した現場に変え、その外部へと出られないような安定的な区切り———即ちトラウマ———がくりかえし打ち込まれざるを得ない。むしろ不安定を不要視しないことなのである。安定こそを大いに軽視することなのである。不安定性やその不要性こそを大いに必要なバッググラウンドとし、そこから立ち上がってくる自然な挙動への身体変遷。そのバッググラウンドを愛する精神性なしには真に上達することなどあり得ず、それを愛する精神性を開くということはこの言説では不十分かもしれないが、どうなってしまうのか分からないところまで行けるのだという信仰を持つことであり、そのことによる素晴らしき地への希望を持つことであり、これは器官なき身体とは対の統一身体に通じているのではなく、準オートマティスム———一目的に紐づけられた水への前段からの身体変遷———を繰り広げる無数身体へと通じている。無数身体と場は互いに呼応するように場分裂し、分裂に次ぐ分裂に時分裂し、逆説的に統一的に、あるひとつの(即ち洗練されたスポーツとしての)水のような現場を作り上げる。真にスポーツ的な身体は絶対に無数に分裂しているのであり、統一身体とはその現場における最も半端な引き攣りの身体に過ぎない。統一が巧みに成立しているときそれは常に水のように分裂的ということだが、これはしかし水だけの世界に精神性が閉じられているということによって成り立っている。準オートマティスムにおける水は一目的に紐づけられた限りでのより無抵抗な方への水一つ一つ一つ———この数え切れない無数———の各仕方での一方向性しか持てないのであり、それだけしか持ちようのない閉じられた精神性に流れるように自分自身を無数の水に変えたらば全トラウマに閉じられた精神性が対照的に無効化される。この無効化の域まで自分自身の水を越え出させられるかどうかにスポーツの可否があるということはひとまず言えるはずであり、無数にあり得るということには目も耳も性器もあり、それらの分裂も決裂も変身もあり、愛も信仰も希望もあり得るがゆえにこれは全精神的であり、そのそれぞれの仕方の一性が一切都度の自然根拠———これこそがよい———を形作るのである。この自然根拠へのアクセスが水への身体変遷と等価であるとき、もはやその身体変遷を見つめる内的部外者は一切何処にも存在しない。


数え切れない数を数えるように

みんなの名前を老婆が数えている

属性と数が一致しなくなってしまったのは私

反対方向に音速が走り出すのは私

SLOWMOTIONPICTURESOUNDTRACK

この密室でケンドリックを呼ぶ私は私

2976光年先のあなたのあなたにしたって私

私はあなたが数える通り死んでいました

我々が我で有らんことを願った私は

空を飛んでいたはずの右翼なのでしょう


咲くのではない

愛は散る側のものなのだということを

あなたから教えてもらったのは私

あなたの名前を知るはずのない私

あなたの名前がケンドリックならば私

あなたがほんとうにケンドリックならば私でいられるわ

私の愛するものはただ一人ケンドリックなのです


数えましょう、私に関わったもの全ての名前を

数えましょう、私は一人だという事実を数えましょう

数えましょう、その事実は一つだという事実を数えましょう

数えましょう、いつまでたっても一つのままの数を数えましょう

数えましょう、一という数字を死ぬまでも死の後も数えましょう

数えましょう、数えましょう、数え続ける私なのでしょう

数えましょう、数えましょう、数え続ける私なのでしょう

数えましょう、一という数字を死ぬまでも死の後も数えましょう

数えましょう、いつまでたっても一つのままの数を数えましょう

数えましょう、その事実は一つだという事実を数えましょう

数えましょう、私は一人だという事実を数えましょう

数えましょう、私に関わったもの全ての名前を


私の愛するものはただ一人ケンドリックなのです

あなたがほんとうにケンドリックならば私でいられるわ

あなたの名前がケンドリックならば私

あなたの名前を知るはずのない私

あなたから教えてもらったのは私

愛は散る側のものなのだということを

咲くのではない


空を飛んでいたはずの右翼なのでしょう

我々が我で有らんことを願った私は

私はあなたが数える通り死んでいました

2976光年先のあなたのあなたにしたって私

この密室でケンドリックを呼ぶ私は私

SLOWMOTIONPICTURESOUNDTRACK

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