第5話 君に会うことは
「君に会うことは」
君に会うことは
せっかくやめていたタバコに
火を点けることに似ている
きっとやめられなくなる
君を誘うことは
せっかく整理した部屋が
乱雑にすることだと思う
きっと片付けが億劫になる
君を思うことは
せっかく静まった水面に
雲母の欠片を投げ込むことだと思う
きっとその波紋が収まらないなくなる
今さら君に会うことはそういうことだと思うけど
僕はそれでもいいと思っている
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