第6話 うつろい

「うつろい」


出会った頃は

知らない君が笑っていて

それがとても魅力的で

愛が生まれるもの


手をつないだ頃は

知らない君が歩き出して

それがとても不安になって

愛が迷走するもの


毎日会う頃は

知らない君がいなくなって

それが馴れ合いになって

大切なことが置き去りになるもの


歩き疲れた頃は

知らない君が他人になって

それが後悔と絶望に変わるもの

思い出に苦しめられるもの


今でも

君ことばかり思い出すもの



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