怒濤のルビと設定が目を引く現代吸血鬼ファンタジー。特にこの「吸血鬼」の設定が作り込まれており、科学的な説明をつけて「吸血鬼なんてそういう病気にかかっただけの人ですよ」とうそぶきながら、適度にフカシて「超人」としても描く案配が心地よい。ティナは何者だったのか、ダノワの師匠と関係あるのか、アガフィヤの秘密は? などなど、まだまだ食いでがありそうな背景世界は垂涎。 13万文字と単行本一冊ほどの分量がありますが、その枠に収めるのはもったいないくらい。非常に独特で面白い吸血鬼像でした!