第8話

「先輩とお泊まりできる遠出!たのしみです!」

新幹線に揺られて桜の故郷にいくのだが地元の駅からずっと秋菜は俺の腕を掴んでニヤニヤとわらっている

「あの、秋菜……あついから離れてくれないかな」

「あ、ごめんなさい、小さい頃以来の遠出なのではしゃいでしまって!むっ!遊びにいくわけではありませんから」

口をへの字にして気合いをいれ直す秋菜は車内の窓を眺めた

「わぁ!みてください先輩あそこ前恋愛ドラマの舞台になった廃校ですよ!あとで行きましょう!」

パァ!っと笑顔を見せ俺に話しかけてくる


こりゃ当分旅行気分だな


新幹線を降り、京子先輩が取ってくれたホテルへと向かうのだが

「先輩、先輩、ここのホテルじゃないんですか?」

秋菜が指差すホテルはとても立派なホテルで、さっきでてきた駅から数分なのだがおしえてもらったホテルと全く違かった

「ここじゃないぞ秋菜、明らかに名前が違う」

「じゃあどんな名前なんです?」

俺は先輩に渡された紙を取り出した

「ホテル【S now】ですか、じゃあここじゃないですね」

「ちょっとまて、地図で調べてみる」


スマホの検索欄にホテルの名前を入れた……のだがそこはラブホテルだった


おれはあわてて先輩に電話をした

『愛しの京子ロリんでぇす!なーにごろー君?』

「なーにごろー君?じゃありませんよ!先輩が取ってくれたホテル、ラブホなんですけど!」

『………へ?』

「いや、とぼけても本当なんですって!秋菜、写真撮って先輩に送っ……秋菜?」

電話していると秋菜はもじもじしながら俺に

「先輩……しかたないですよ、は、入りましょ」

「ば、バカ!おれたちはまだ早い!てか俺よりもちゃんとしたやつとはいればいいだろ!」


電話しているのにとなりにいる後輩と思いきりしゃべってる謎の光景


『ヒューヒューお熱いねぇ!』

「お前のせいだ!」



その後、先輩はムカつく台詞をしゃべって切れたのでおれたちは仕方なくラブホへと足を運んだ。


「ご予約されていた五六さんですね」

先輩はおれの名前で予約をとっていた


なんとか怪しまれず部屋に入れたのはいいもののベッドが1つしかなかった


まぁ、あれだしな……

「あの……先輩……」

「ん?」

秋菜は顔を赤らめて

「さっき部屋に行くときに受け付けの人にこんな物を渡されてしまいました」


秋菜が持っていたのはエッチの時使うゴムだった……しかも二個


「ふぁぁぁぁぁ!おま!それをおけ!」

「は!はい!」

秋菜は慌ててベッドにゴムを置いた

「あのお姉さん、清楚な感じでまさか根はすごく性欲強いのか?」

「どうしましょう、これ……」

俺と秋菜はベッドに散らばったゴムをまじまじとみた



かれこれ数分がたったが俺たち二人は離れて座って自分の時間を過ごしていた、すると先輩から電話がきた

『もしもしごろーくん?』

「なんすか?」

なぜか先輩は声が震えていた

『あ、まだ怒ってる……さっきはすまなかった、お詫びとして明日私もそちらに行く、どうしても渡したいものがあってね』

「まさかゴムじゃないですよね!?」

おれのとなりで電話の声を聞いていた秋菜が話した

『は?なんのことかね?まさか……ごろーくん?きみはかわいいアッキーを汚すことを考えて………』

「かんがえてないですよ、さっき秋菜が受け付けの人に渡されたんですよ」

『で?使ってる途中なのかい?』

「少し黙りましょうか先輩」

『はい……で、君たちはそれをどうしているんだい?』

「ベッドに置いてます」

『ほぅ、使わなかったら受け付けの人に返せばいいよ、変な目でみられるけどね』

「そうですが……てか先輩、なんでそんなこと知ってるんですか?」

おれがそういうと慌てたようスで

『ととととととと友達がこの間はじめて行った時にみたっていってたから!』

「そうですか、ならこれも聞いていいですか?」

『なんだい?』

「部屋のベッド、服着用禁止って書いてあったんですけどそれは……」

『しらないです!』

ガチャ


切られた。



「どうしましょう先輩、夜きちゃいました」

赤面して秋菜は言った

「ダブルベッドに年下JKと……うぅ、どうしたらいいんだ」

頭を抱えた

「あの、先輩……このベッド服着用禁止って書いてあるんですよね、どうしたら……」

そういい、秋菜は服をゆっくりと脱ごうとしていた

「秋菜、服を着ろ!」

秋菜のたわわな胸がみえそうな所でおれは秋菜を止めた

「だって、脱がないと寝れないんですよね!?」

「なんなんださっきからお前は!発情期か?!」

おれが叫ぶと秋菜は小さく首をこくんと頷かせた

「は?マジで?」

「いい加減にしてください先輩!先輩に三つ言うことがあります!」

そういって赤らめた秋菜は服を勢いよく脱ぎ全裸になり近づいてきた、しかも胸を隠さず

「1!先輩の鈍感!2!エロゲ主人公!3!先輩だいすき!」

「は?すき?お前なに言っ……」

全裸の秋菜はおれに抱きついてきた

「この間のキスはお礼なんかじゃありません!ただの好意でやったんです!今日も先輩がホテルをよく確かめないでここにしたとき思いついたんです!ここで告白しようと!」

こいつ、こんなにぐいぐいくる奴だったっけ?もしかしたら桜より変態なんじゃ!?

「まてまて秋菜!ぶわ!」

秋菜のやわらかな唇がおれの口に当たった


「わたしは桜ちゃんよりド変態です!是非ゴムなしで汚してください!」

「だめだって!まだ俺たちは高校生!」

必死におれは止めようとするが聞かなかった

「コンドームつかいましょう!受け付けの人に渡されたなんて嘘です!今日のために買っていました!さぁ!先輩ぬいで!その大きなソーセージをわたしにいれてぇ!」

暴走する秋菜はおれの服を脱がせようとしたもう、狂気な秋菜におれはもう言うことを聞くしかなかった


「もう先輩には妹なんていらないぃ~!」



その後、おれは汚されたという。


「申し訳ございませんでした」

朝、完全に素に戻った秋菜が土下座してきた

「あ、もう、いいです、許します」

「許してくれるんですか!?」

「まぁ、うん……ね、いいよ」


昨日あのあとめちゃくちゃにされたあと寝かせてくれなかった


逆じゃね?


その後ご飯を食べ先輩が待つ駅へと足運んだ


「やっ!おはよう二人とも」

「おはようございます先輩、今日はなんでここに?」

おれが問いかけると

「昨日薫ちゃんのご好意で君の家に泊まらせてもらったのだけどその時見つけたんだよね」

先輩は俺たちにスマホを見せた

「これって、新幹線のチケット……ん?このチケットの日にち」

チケットには明日の日付が書かれていた

「そうよ、明日、桜ちゃんはここに来るわ……だから今日中にお兄さんに妹さんが来るけど心配しないで……と言わなければならないわ、だから二人とも急ぐわよ」

「はい、会長」

タクシーを使い桜の実家の近くまで来た俺たち

「あそこの崖の上にたってるのがきっと桜ちゃんの家よ」

すると後ろから声が聞こえた

「あの……」

「ひぃぃぃぃ!」

「きゃあああああ!」

「おっと!」

おれたちは突然の声に大声を出して驚いてしまった

「そんなに警戒しないでください……ってきょうころりんさん!?」

「ダンデさん!?」

やば!桜のお兄さん!

「お久しぶりですきょうころりんさん!……とそのお二方は?」

首をかしげるダンデ兄貴

「えっと……あ!この二人は以前聞かせてもらった妹さんを探してくれてる私の大事な協力者です!」


大体あってる


「そうですか!よろしくお願いします!えっと……」

「ほら、二人とも挨拶」

「は、はい!俺はせんぱ……きょうころりんさんにいわれてあなたの妹を探しているゴローです!」

俺は緊張しながら挨拶した

「えっと、同じくきょうころりん……ぷっ……きょうころりんさんにいわれてあなたの妹を探しているあっきーです!」


あ、今笑った


「お二人ともにも桜を探してもらって申し訳ないというか、ありがたいというか……それできょうころりんさん、今回は度のようなご用件で」

声のトーンを変えて聞いてくるダンデ兄貴に先輩は

「えっ?あ、えっとついこの間桜さんのツブヤイターでこんど家に帰るって話していたのでそれを教えに」


怪しすぎんだろ。ツブヤイターやったことないけどたしかふたりではなせるきのうがあるときいたな、そこで話せばいいのに

「そうですか……でもなんでメッセージ機能で教えてくれなくてここに来たんですか?というか男でここがわかったんですか?ねぇ、きょうころりんさん、これ犯罪だよ?お仕置きかなぁ?」

「ひゃう!」

今にも先輩が泣きそうだった


「あ、あの!」

そこでおれが!とおもったら隣で秋菜が

「ほ、本当は私のとなりにいるこのゴロー、いや、五六先輩の家にいます!そしてここにこれたのは桜ちゃんの部屋にはいった会長が明日ここに来る桜ちゃんのチケットを見つけて五六先輩が桜ちゃんの家出することを#綴__つづ__#った手紙をみて住所を知ったからです!」

「おま!ばか!」

「これでいいんです!」


「五六?聞いたことあるな、まさか桜の手紙にかいてあった青年か?」

「は、はい」

「そうか、ちょっと来なさい」

突然の指名に怯えた声がでてしまった

「先輩!私も」

秋菜が察したのかついてこようとしたが

「あっきーさんはいいです、これは男同士、いや兄同士の話ですから」

と阻まれてしまったので一気に恐怖感がきた



俺は桜実家の高台までつれてこられた

「そうか、君の家に桜が……」

少し寂しそうな顔を見せたダンデさんだがすぐに微笑み

「桜は元気か?」

ダンデさんはさっきのような怖い声ではなく優しく声をかけてくれた

「はい、桜は今、すごく元気です、そちらにいたときの桜はわかりませんが元気でいます、僕には他に薫、萌という義理ですが妹がいます、桜は年上の薫に甘えて、年下の萌の面倒をよくみてくれるいい#義理妹__いもうと__#です、だから桜のことは全部とはいえませんが心配しないでいいです、今の桜の兄貴は俺ですから信用してください」

「そうか、君がそういうなら心配は少しだけしとこう……そうか、桜は元気か……よかった……本当によかった」

ダンデさんはおれに背中を向けてそういったが太陽の光で涙が流れているのがわかった


任務を終わらせた俺たちはダンデさんとお別れすることになった

「あの、ダンデさん、最後にひとついいですか?」

「なんだい?」

「明日ここに桜が来たら機嫌が良くなるまで泊まらせてあげてください、その方があの子にとって心の安らぎになると思います!」

「そうか、分かった……じゃあ五六くん、そちらに戻った桜を頼むよ」

「はい!」


こうして俺たちの役目は終わった、あとはダンデさんに任せよう。


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