第43話
「ちょっとぉ!菫さん!」
「おーい、そこ少し騒がしいぞ」
「申し訳ございません」
現在学校で授業を受けている僕は、隣の席の菫さんから悪戯をされている。
そのせいで、先生に注意されてばかりだ。
「トントン」
「ん?」
菫さんに肩を叩かれたと思ったらある紙を渡された
僕は、バレないように机の下で折り畳まれた紙を広げた。
『主人様のお困りになってる顔も全てお可愛らしくてついしてしまいました』
と丁寧な字で書かれていた。
「うぅ........」
恥ずかしくなって俯くと菫さんの手が机の下にある僕の手に伸びてきたと思ったら、ギュッと握られてしまった
ぷにぷにと柔らかくて、潤いのある手触りに感動を覚えるも、お姉ちゃんに似てるかもと思ったその瞬間
「ギュッ!」
「イッ」
菫さんが急に力を入れるものだから、思わず声が出てしまった。さっきも怒られたばかりなのにそのようなことを次したらしばかれれるだろうと怖くなってすぐに口に手を当てた
幸い誰も、気づいてないらしく先生は喋ったままだった。
菫さんの方をチラッと見ると、菫さんがそれに気づいたのか目を合わせて微笑んでくれたが、目が笑っていなかった
「じゃあ〜ここ答えてもらおうかな」
先生がそう言った瞬間、僕はビクッとなった。
ただでさえ頭の良くない僕が、菫さんのことが気になりすぎて聞いていなかった問題を解けるはずがない。
僕は前をチラッと見ると、偶然先生と目が合ったこれは終わったぁと思った瞬間案の定
「んじゃあ藤本、答えれるか」
キタァぁぁぁ!!!
いやダァ!!!
僕は焦りに焦った、焦ってるけどどうにかしてかんがえているふりをする。
えっとえっとと、黒板に書いてあることを見るがわからない
新しいことで何を言っているのかさっぱりだ。
そして、ノートは取ってあるのでノートから解法を探さそうとノートに目をやると
『4C3』と書いてあった。
菫さんを見ると、ウインクをしてくれた。
あっきっと答えだと思い
僕は何のことかさっぱりわからなかったが
「4C3?」
少し疑問系気味に答えると
「おぉ正解だ騒がしかったがまぁいいだろう」
おぉ!菫さんありがとうと思った
「主人様の評価を下げる訳には行きませんからね」
と耳元で言われた。
そして、そのまま僕は菫さんに手を握られたり太ももをさすられたり悪戯ばっかされた。
授業がさっぱりの僕に放課後菫さんが授業のことを解説してくれた。
菫さん曰く、教師なんかに主人様を教育されたくありません。主人様を教育するのは私の役目ですとか言っていた。
♢
誰もいない閑散とした廊下、僕は体育後で体育館から戻っていたところだ。
みんなには、僕が片付けやっておくと言っているので彼らは今頃大休憩で食堂かグラウンドで遊んでいるんだろう。
そして、突き当たりの階段を渡るために曲がろうとすると
「あっ!」
「危ない!」
ピンク色の髪をしていて、大量のプリントと教科書を持った女の子が階段からかけそうになっていた
僕はまるで時が遅く流れているのではないかと思うくらい、その子が階段から落ちるのがわかった。
僕は掛け声と共に、せめて衝撃のクッションにでもなろうと受け入れ態勢に入った。
その子は、重力に従うように落ちてきたので受け入れた......が僕もその子の衝撃で落ちてしまった。
「うぅっ.......いててぇ....っ!」
怖がって瞑っていた目を開けると、その子の頭が僕の胸にあってそして僕はその子を抱きしめたまま倒れていた。
「あっ!す、すみませんっ!」
何故か謝ってくれているのにその子は僕の胸から離れなかった。
多分相当痛かったのだろうか、助けれなかった........
「えっと.......怪我大丈夫?」
「は、はい.......」
怪我がないか確認するために離れてもらったがどうやら何もないようだ、よかったぁ
よく見ると、とても可愛らしい顔つきで目もくりくりしてて可愛い。
そして、制服のリボンからして僕と同じ学年だろう。
「えっと......お名前をいいですか?」
「藤本優希だよ」
「私は....あっまだ私の方が名乗っていなかった!御免なさい!私は
「あの......藤本くん少しいいですか?」
「うんいいよ?」
「私が前学期いじめにあってたのを知って.....いますか?」
「え?!そうなの?誰!いじめてるの許されないよ!こんなに可愛いのに」
「あっ....あの恥ずかしい...です」
「あっ御免なさいつい、」
「いえ、嬉しかったので.....」
「そして、いじめのことについては解決していたんですが......その後残りというものがありまして....こういう雑用の時は私がということで......こうなってしまいました」
その子、優愛さんは落ちてバラバラになった教科書とプリントを見ていった。
「あっ、いえっあの大丈夫ですのでっ!大休憩ですしご飯もあると思うのでっ!」
「いやっ僕も手伝うよ!」
「本当ですか!ありがとうございます泣きそうです」
「そんなに?!」
そのあと子と大休憩を使って片付けあった。
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