第41話
「ゲホッ!ゲホッ!」
「ゆぅーくん!?大丈夫?!熱ある?!咳してるね?鼻水も出てきてるよティッシュはいっ、ちょっとおでこごめんね?アツッ!ゆぅーくん熱はあるよ!熱測ろう?それと横になってゆっくりしてほらほらお姉ちゃんの膝使って」
冒頭から、暴走しているのは僕の姉だ。
部屋でゴロゴロしていると、急に怠くなってきて寝転び過ぎたかな?って思ったからリビングに行くと咳を吐き始めたのだ。
そして現在に至るという訳です。
「こらっ、熱あるんだからお姉ちゃんにとことん甘えて?逃げないでほらぁゴロンー」
恥ずかしかったので自室で休もうとするとお姉ちゃんが若干フラフラ気味の僕の頭を掴んだ。
そのまま、お姉ちゃんの太ももにダイブさせられた。
「お姉ちゃん......ゲホッゲホッ!......風邪......うつっちゃうよ?」
「大丈夫だよっお姉ちゃんゆぅーくんに貰えるなら何でも嬉しいからったとえそれが風だとしても!」
どうやら、うちのお姉ちゃんは無敵なようだ
「そうだよ!お姉ちゃんはゆぅーくんのためなら無敵だから!」
そして心を読まれてしまった
「はぁぁ..........」
「どうしたの?」
お姉ちゃんが急にため息をついた。喜怒哀楽が激しい先程まで笑顔だったのにまるですべて終わってしまって後悔しているようか顔をしている。
「お姉ちゃん、ゆぅーくんに風邪引かしちゃった........」
「そんなこと?.......ゲホッゲホッ!」
咳が苦しくて、会話が弾まない
「そんなことじゃないよ!お姉ちゃんはゆぅーくんが病気にならないように食生活からお部屋の掃除、睡眠の管理までぜんぶ!ぜーーーんぶ気を使ったはずなのに.......お姉ちゃんだめだねごめんね......ゆぅーーくん」
謝りながら、僕の前髪をそっと撫でた
「何でお姉ちゃんが謝るの?あと......そんな顔しないでっゲホッ!ゲホッ......ちょっと休むね」
「ゆぅーーくん.........ありがとうお姉ちゃん大好きだよっ」
僕はそのままお姉ちゃんに甘えることにして眠ってしまった。
〜 〜 〜
「んんんぅぅぅ...........」
頭が重いぃ.........
どうやら、目が覚めたようだ。
ほんの一瞬に感じた睡眠でぐっすり寝れた気分であるが体がまだだるい。
「あっ.......ゆぅーくん起きた?」
「んん」
目を擦って開けると、お姉ちゃんの顔が視界に映った。
周りは薄暗くてどうやら僕が眠っているから電気を消してくれたようだ。
そして、僕の下にはお布団が敷かれていた。何故か分からないけど枕はどうやらないようでお姉ちゃんの膝が枕になっている。お布団も持ってきたなら枕でもいいんじゃないかなぁ?
「ピピピピ」
いつのまにか脇に挟まれていた体温計が鳴った
「どれどれ〜?37.8°かぁ.........ゆぅーくん何か食べたいものなーい?それか何かお姉ちゃんにして欲しいことだったり何かない?」
起きたばかりで寝ぼけているけど、あまり食欲がないのは分かる。
「うーーん、食欲ないから大丈夫」
「けど、何か食べないと元気でないよ?何かたべよ?」
「ゼリーが欲しいぃ」
何か食べれそうなものを自分の中で探した結果がゼリーだった。
「ゼリーだね?ごめんねちょっと膝どけるね?後でちゃんとしてあげるから待ってて?」
「...........」
体がだるいぃ
「はいっゆぅーくんゼリーだよっ」
「ありがとぉぅ」
「食べさせてあげるねっ、はいっゆぅーーくんあーーん」
「あーーん、はむっ」
「えへへっ風邪でお姉ちゃんに甘えるゆぅーくん可愛すぎるよぉ〜もっと甘えていいんだからね?もちろん風邪じゃない時も甘えて欲しいな?」
何も考えることができなくてお姉ちゃんのトリップにも、突っ込むことが困難だ。
そして、ゼリーを食べ終わった僕はもう一度寝ようとすると
「ゆぅーくんお姉ちゃんの膝枕で寝るのっ」
と言われて、膝枕をされた
「明日には治っているからねぇ〜」
僕はそんな言葉を聞いて寝てしまった
そして翌日朝起きたら元気になってたのは何故だろうか
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