第39話

「コンコン」


菫さんの別荘の自室でスマホをいじくっていると急にノックオンが聞こえた


「主人様、夜食の用意ができましたよ」


やった!と思いながらも準備してもらっている立場だからそんなに食いついていくかのように行くのは行儀が悪いので、その気持ちを隠しつつドアをあけて目の前に、ピシッと立っている菫さんと面を合わした


「呼んでくれてありがとう」


「いえいえ、主人様の下僕として当たり前ですわっそれよりもいきましょうか」


「うん、そうだね.........って菫さん今なんて言った?!」


なんかとんでもなくすごいことが聞こえた気がするけど.......気のせいにしとこ

そして菫さんに廊下から食堂へ案内してもらった


「わぁ........」


食堂に着くと、実際にこの目で見たことのない長い机があった。

何人なんだろう........5秒ほどかけて数えても、何人分かは分からないだろう。


「さぁ......主人様こんなの貧相でお気に召さないかもしれませんがどうぞお触りください」


「いや!貧相なんてありえないよ!逆だよ逆僕には似合わないほど高級で..........すごすぎる」


「まぁっ、主人様ったらお世辞上手ですこと」


何かガサガサと背を向けている菫さん


「いや......お世辞じゃ.....って....え!?」


お世辞じゃないよって言おうとしたら、菫さんが作業を終えたのか僕の方を向くと手には料理を乗せた皿を持っており、なんだろうと思って見てみると

お魚の刺身や、高そうなお肉が載っている


「あ、主人様どうされました?もしかしてお刺身とお魚はお嫌いでしょうか?」


「いや....大好物だけど」


「そ、そうですよね!主人様をいつも見てるのですから.....安心しました」


「どちらかって言うと僕にそんなの.......いいの?」


「うふふっ私は主人様のモノと言ってるではありませんか、ですから私のお金も権力も主人様のものですよ....」


「えっと.....じゃあこれは菫さんが全部?」


「はい、私のお金から出費されています」


「ダメだよ!僕なんかに.....」


菫さんは座っている僕を側に机の上にどんどんとお箸、ご飯、コップとテーブルを完成させていく


「主人様は本当にお優しいお方ですね....主人様のためになってる、それだけで私は胸が張り裂けそうなくらい嬉しいのです」


そんな、ドキッとしてしまう言葉を言われた瞬間菫さんのテーブルも完成させられた


「...........ありがとう」


「主人様ったらかわいいですね、ではいただきましょうか」


「うん」


「「いただきます」」


せっかく用意してくれたから楽しく美味しく頂こうと思って僕達はわいわいとその時を楽しんだ

もちろんお肉と刺身は絶品だった......


———————————————————————


「うぅ........菫さんに色々感謝しないとなぁ......」


菫さんの大きな屋敷の大浴室で体をゴシゴシと洗いながら僕は、そんな言葉を呟いた


「ここにくるのだって......相当な費用.....いやお金のことは言ったら汚いかなぁ........」


急にされてることには間違いないけど、僕にとって迷惑だとは1ミリたりとも感じていない。

むしろ楽しいとすら感じる


「はぁぁ.......」

僕は大きくため息を自然と吐いた


「あらあら、主人様?そんなにため息をつかれてどうされたのですか?何かご不満がありましたか?」


「えぇ?!菫さん?!.......何してっ」


急に声が聞こえ、反射的に振り向くと肩とは太ももから下が露出してバスタオルで身を纏っている菫さんがいた

そのバスタオルの下は生まれたままの姿なのだろう


「疲れた殿方を癒すのは主人様の従者として当たり前のこと、ましてや主人様の入浴をご一緒できなど天に上りそうなほどの至福なことなんですよ.....ですから主人様そのまま体を私に.........」


そして、恥ずかしくなって緊張している僕を瞬殺する言葉がはかれた


「お預けくださいませ」


「ひゃっ.....菫さん.....」


菫さんが僕の耳のすぐ横で言ったものだから、思わず声が出てしまった。

なぜ僕の方が女の子みたいなシチュエーションになってるのかなぁ


「菫さん.......」


菫さんの猛烈なアタックは、止まることを知らない暴走列車のようだ


「うぅ.......ちょっと....すみれっさん...」


恥ずかしくて縮こまって緊張していた僕を菫さんが抱きしめた

バスタオルで身を包んでいると言えども菫さんのいい匂いと、すべすべな手、そしてその手で僕を誘惑するかのような手つき、それらが僕を刺激してたまらない


「主人様ぁ....はぁ...はぁ....こんなに近くに主人様がぁ」


誘惑している側が息を荒げている、けどその暖かい息遣いがまたそれらしさを与えて興奮してしまう、エモいというやつだろうか。


「菫.......さん、ほんとに僕もう....ダメだから離れて?」


「やです......主人様がなんていおぅといやですぅ.....ギュッ」


目がたらんと蕩けてしまっている、そんな中菫さんがもっと強く僕のことを抱きしめた


「ちょっと...菫さん本当に....うぅ....」


「主人様......本当に私、主人様になら何をされても構いませんから」


「ひゃっ」


菫さんにふぅっと耳に息をかけられてそれから耳をはむっと噛まれた


「主人様ぁー大好きですぅはぁはぁ.....本当に....はぁはぁ.....はぁ.....」


「菫さん??大丈夫?本当に」


「はいぃ.....主人様が3人に見えますぅ....幸せですぅ」


いつのまにか菫さんの拘束力も解かれていて、菫さんがフラフラとしていた


「グヘッ」


「菫さん?!」


菫さんが倒れてしまった


僕は周りも見て......誰もいないことを確認した


もちろん、いやらしいことをしたりはしないが....

誰もいないので僕が自動的にどうにかしないといけなくなるわけで......


「はぁ....菫さんごめん!」


僕は恥をしてて、菫さんを更衣室まで運んで先ほどまで来たいのであろう服を........なんでもないです




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