第34話

やっと学校が終わった......頭はもう無理だ!とサイレンを鳴らしている。

怠い足を運んでやっと家に着いた


「ただい、ドワッ!」


「ゆぅ〜ぐぅーーーん寂しかったよぉぉ!!」


扉を開けた瞬間、玄関の靴を並べるところでお姉ちゃんが待ち伏せていた

僕は呆気なくお姉ちゃんがいることを知らずに体当たりしてしまった、だがしかしそんな体当たりも無力にしてお姉ちゃんが僕のことを抱きしめてきた。


「おねぇちゃんくるひぃぃ」


「あっ!ごめんねっ」

無我夢中になっていたのか、ハッとしたお姉ちゃんはすぐに離してくれた

お姉ちゃんのお腹にこれでもかと顔押し付けられて窒息するかと思った。



「ゆぅ〜くんが、いないとお姉ちゃん寂しくて寂しくて死ぬかと思っちゃったよぉ〜」


「お姉ちゃん死んじゃだめ」


「えっ?!ゆぅ〜くんは学校辞めてずっとお姉ちゃんと暮らす?!いいよ?お姉ちゃんはゆぅ〜くんのしたいこと欲しいものぜーーんぶ叶えてあげるよ!」


玄関の、そして靴もまだ脱いでいないところでお姉ちゃんは場違いにも舞い上っていた。

それにしても、綺麗好きなお姉ちゃんが掃除した玄関は綺麗に思えた


「お、お姉ちゃん落ち着いて、とりあえず靴脱ぐね」


ふんふんと息を荒くしてるお姉ちゃん


「うん!」


僕はそのまま靴を脱いで自分の部屋に行った

セットで後ろにお姉ちゃんが着いてきていた

あえてお姉ちゃんがいる後ろを向かずに自分の部屋の扉を開けると異様な光景が広がっていた。

勉強机に、ベット全ての配置場所が変わっている。

そして何気にすごく部屋が綺麗になっている。


「どう!ゆぅーくん!お姉ちゃんゆぅーんくんの部屋こんっなに綺麗にしたんだよ!どう?お姉ちゃんすごい!?」


「す、すごい.......お姉ちゃんありがとう」


「えへへ、いつもの日課でゆぅ〜くんの部屋でゴロゴロしよ〜と思ったらゆぅ〜くんへの想いが抑えられなくなって何かしないとおかしくなっちゃいそうになったからお姉ちゃん頑張っちゃった」


日課とかもろもろすごい爆弾発言が聞こえてきたけど、お姉ちゃん......もっと自分の事に時間使ってもいいんだよ?そう思ってしまった


〜 〜 〜


ぅーーん!ゆぅ〜くんに褒められちゃったぁ

えへへゆぅーくん好きぃ好き好き好き好き好き

もう!この気持ちはどうやって発散すればいいの?!


お姉ちゃんありがとうと言われてそのままゆぅーくんは自分の部屋に行っちゃった。

本当はお姉ちゃんもゆぅーくんの部屋に入ってゆぅーくんととろけるようなイチャイチャラブラブしたかった

だけどゆぅーくんがお姉ちゃんの目の前でドアを閉めたのだ、閉まる瞬間ゆぅーくんの顔が真っ赤になっていたのを私は見逃さなかった。

可愛すぎて尊師するところだったよ。


「はぁはぁ......ゆぅーくん.....好きぃゆぅーくんゆぅーくん」


息がつまる、ゆぅーくんの顔も思考も、体も全部が好きすぎて悶絶してしまっている。

私は今自分の部屋のベットの上に置いてある、ゆぅーくんのと交換した枕を全身で抱きしめながら身悶えていた。


ゆぅーくんが帰ってきて、思いっきり抱きついたのでまだ抑えられていたと思っていた

実際全然そんなことなくて、ゆぅーくんを見てしまうと母性がこれでもかとくすぐられてそれ以上に好きすぎて結果こんなことになっているつまり、いない時と一緒だということリバウンドだ。


この枕で今日は過ごそうと、お姉ちゃんは弟の枕を使うのだった。



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