暴君、佳奈芽
「ゆぅ〜くんんーー」
僕はベットの上で目を覚ますと、隣に僕のことを寝言で何回も連呼するお姉ちゃんがいた。
昨日は1人で寝ていたが、僕が知らない間つまり深夜に帰ってきたのだろう。
長旅だっただろうからきっと疲れているのだろうと思い寝かしてあげようと僕の体をどけると......
「んーーん.......ゆぅーくん.......ゆぅーくんがいなぃぃ.......」
自分の寝ている周りを寝ながら手探りで探していた。きっと僕を探しているのだろう、何回も僕のことを連呼する
寝ながら僕がいなくなったってどうやったら分かるんだと不思議に思いながらも、体を起こした僕だったがお姉ちゃんが寂しそうだったので、久しぶりに甘えることにしてもう一眠りについた。
〜 〜 〜
「むにゃむにゃむにゃ......ゆぅ〜くんぅ.......はっっ」
私はゆーくんとイチャイチャする夢から覚め、一瞬で目覚めてしまった。とても、名残惜しい夢だったが.........となりには、今もすーすーと規則正しい寝息をしながら可愛く寝ているゆーくんがいた。
うん!可愛い!可愛すぎてお姉ちゃん飛びそうぅ!
昨日は疲れすぎて、無意識にゆーくんの部屋へと行ってしまってそれからいつのまにかゆーくんのベットの上で寝てしまっていたようだ。
はわぁ.......可愛い、可愛すぎてやばい
佳奈芽は愛しの弟を赤ん坊のように撫でていた
「ゆぅーくん.......えへへ、可愛いっ」
サラサラな髪を撫でていると、触りすぎたのかゆぅーくんがうぅっと声を出し始めた
起こしてしまうか、起こさないでいようか迷ったが
なんでもいいやっと思いながらずっと優しく膝枕でゆーくんを撫でていた。
こんな可愛いことされたらなんでもしてあげたくなる。私はゆぅーくんにはとても弱いのだと思う。
だって一眼見ただけで、胸がドキドキして止まらなくなるから
「んーーおねえ....ちゃん?」
どうやらゆぅーくんが目を覚ましたようだ
目を擦って、お姉ちゃんのことを凝視するその目線だけでご飯なんばいもいけそう
たまらなくなって思わずゆーくんにぎゅーと抱きついた
「んぅーお姉ちゃんお帰りぃー」
「うん!ゆぅーくんぅー」
朝はお姉ちゃんに抱きつかれられ、始まった。
〜 〜 ー
「えへへ、ゆぅーくん今日は久しぶりに唐揚げにするね!」
「お姉ちゃん大丈夫?帰ってきたばかりなのに僕やるよ?」
僕がやると言ってもお姉ちゃんがいない時、実はお姉ちゃん、僕のために5日分の昼食と夕食を作り置きでタッパーに作ってくれていたのだ。
1日目の分、2日目の分と書いてあって一つ一つに手紙がついていた
どれだけ弟思いなのかがわかる。
「大丈夫だよ!ゆぅーくんのためなら風邪をひいてても骨折してても立てなくてもお姉ちゃんなんでもするんだから!」
「あ、ありがとう」
「えへへゆぅーくん可愛いっ」
それからずっとお姉ちゃんは唐揚げを作っていた
もちろん手伝うよと言った
しかし
「ゆぅーくんはごろんと休んでいて?!お姉ちゃんに全部任せてたらいいの!」とすごい圧で言われた
久しぶりに作るから張り切ってるのかなぁ?
まぁいいかと思いながら言われるがままごろんとしていた
「ゆぅ......くん、......くん、」
「ゆー.....くん」
「ん.....ん?」
「あ、起きた?」
「僕、もしかして寝てしまってた?」
「うん、もうそりゃぐっすりと寝てたよっ、じゃあご飯にしよっか大丈夫?」
「うん、手伝うね」
「だーめ!寝起きのゆぅーくんに手伝わせる訳にはいかないよゆぅーくんはそこにおっちんしといてね」
すごく赤ちゃん扱いされてるけど寝ぼけてた僕はお姉ちゃんのいう通りにそのまま食卓に座った
「はいはーい、ゆぅーくんじゃあいただきますしよっか」
お姉ちゃんが料理をテーブルに並べていきお姉ちゃんも僕に
「はいっあーーーーん」
「あーん」
まだ、寝ぼけている僕は淡々とお姉ちゃんのあーーん攻撃を受けていた
「えへへ、ゆぅーくんと関節キスぅ、んむっ」
喜んで僕が咥えた箸を舐めまくる怪物がいた
「ちょっと、お姉ちゃん!」
「うふふゆぅーくん美味しい!」
ちょっと意味深なお姉ちゃんだった。
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