お姉ちゃん•菫さんサンタさんが来たよ!

「ゆぅ〜くんぅーー!」


「むっ!にゃ、にゃに?」


床に足を伸ばしながらテレビを見て座っているとお姉ちゃんに急に後ろから抱きしめられた。

ふわっと香る、お花のような匂いが僕の鼻腔をくすぐった。


「むぅーむぅー!」


「んー?なになにお姉ちゃん大好き?!もう!ゆぅ〜くん最高!お姉ちゃんも大好きっぎゅっ!」

もともと抱きしめられていた僕にお姉ちゃんがもっと力を入れる

少し離れるように力を入れてもびくともしないので

されるがままでいた。


〜 〜 〜


「はぁ....ゆぅ〜くんいい匂い〜」

話してくれたが、振り向いてお姉ちゃんの顔を見ていると薬でもしたのかな?と思えるような顔をしていた。


「それで、お姉ちゃんなに?」


「えへへ......」

急に呼ばれた要件を聞きたいが、まだお姉ちゃんは上の空だ。


「お姉ちゃん....お姉ちゃん..」

肩を揺らしても、えへへと言いながら気づいてくれない


「え?.....ぁ、ゆぅ〜くん」


「あ、戻ってきた」


意識を取り戻したお姉ちゃんは、分からないのか状況を把握している


「戻ってきた?お姉ちゃん気絶してた?」


「し...知らないの?何が合ったか」


「うん....とても気持ちいいことがあった気がするんだけど...ゆぅーくんお姉ちゃんに何かした?でもでもゆぅ〜くんにされることならなんでも嬉しいから大丈夫だよ?」


「僕は何もしてないよ....どっちかっていうとお姉ちゃんにされたんだけど.....」


「何もしてないの?」


「何もしてないよ」


「なんでしないの!」


「するわけないでしょ?!」


お姉ちゃんはまるで何かしてして欲しかったような

顔をしている


「なんで!お姉ちゃんさっきも言ったけどいつでもウェルカムなんだよ?」


「本当に僕が何かしてもお姉ちゃん何も言わないの?」


「うん、何も言わないよ?」


「ふーん、そ、そうなんだ」


「だからね、ゆぅ〜くんお姉ちゃんと色んなことしない?今日は性なるクリスマスだよ?」


「漢字が違う!」


「あぁー!もううるさい口はお姉ちゃんが塞いであげる!」


えっと思っていると急にお姉ちゃんの顔が目の前にあった


「むっ!」


僕の唇に柔らかい感触があった。

つまりお姉ちゃんが僕にキスをしたのだ。

10秒くらいされたのだろうか、僕にとってはそれより長く感じたけどそれくらいの間してからお姉ちゃんは離れた。


僕は頭が真っ白で考えることが乏しくなってきていた


「うふふっゆぅ〜くんったら可愛い子♡こんなに赤くなって....お姉ちゃんからのクリスマスプレゼントは...これでいいかな?それとも....足りない?」


お姉ちゃんはそう言いながらもまた僕に近づこうとしてくる。


「うぅ....」


「足りないよね、ゆぅ〜くん?お姉ちゃんがいっっぱいプレゼントしてあげる♡」


それから大変良くされました。


———————————————————————


今日は、二学期の最後!つまり終業式なのである。

みんなはそれぞれ、クリスマス、年末、冬休みの遊びの予定などでわいわいしていた。

僕は、その横でしょんぼりと1人でちぇーと不貞腐れていた。

そんな僕を慰めるべく人が現れた


「うふふ、主人様には私がいるではありませんか大丈夫ですきっとあのような人らより素晴らしい冬休みにして差し上げますわ」


横の空いている席から声をかけてきたのは菫さんだった。

ニコッと美しく微笑んだ顔は高貴な人らしく見えた。

「菫さん....でも悪いよ菫さんにだって冬休み用事があるでしょ?そっちを優先していいよ僕は1人も慣れてるから」


「いえいえ、このために私冬休みの課題も全て終わらしていますだから私を拘束するのは主人様以外あり得ません、もちろん主人様は私を物理的に拘束してくださっても一向に構いませんが」


「それくらい...してもらってるなら遊ぼうかな?けど僕まだ課題1つも終わってないんだ」


「あら、良いではありませんか....では、私が主人様の課題を1つ1つ丁寧に教えて差し上げますわ」


「いいの?」


「はい、主人様の力になれるのならば本望でありますので」


「ありがとう!」


「いえいえ、こちらこそありがとうございます」


「?...どういたしまして?」


菫さんとその後も仲良く話していた


「.......って!なんで菫さんの家でクリスマスパーティーしてるのぉ!」

豪華な、食卓を前に僕はいつのまにか座っていた


「あら主人様ったら、いずれ未来の旦那様になるのですからこれくらいは当たり前ですわ」


「いや、豪華すぎるのもだけど!なんで菫さんの家にいるの!」


「うふふっ主人様?今夜はお姉さまがいないらしいですね?てことは主人様1人ではありませんか」


そうなのだ...とても泣いていたが大学の学会でお姉ちゃんが家にいない


「そのようなこと私がするはずがありません主人様を1人にして寂しい気持ちにさせるなど言語道断、あってはならないことですわ」


「菫さん....ありがとう!」


もしかしたら1人と思っていたが菫さんがいてくれた。それにこんなにも豪華な食事で、嬉しいけど恩返しなんて...



「主人様?恩返しなど必要ありませんわ唯一言うとすれば出来るだけ私のお側にいて欲しいことでしょうか、そして私とずっと暮らして欲しいです」


僕の心を読んだかのように菫さんが喋りかけてきた


「うぅ、今日はいられるけど...ずっとは無理かな?」


「うふふっ冗談ですわ、ですがその事について一切の偽りはありません」


「さぁ主人様今宵は2人きりのクリスマスです私のご両親は2人でヨーロッパに行きましたの、ですから今夜は私が主人様の、主人様だけのクリスマスプレゼントです」


菫さんには敵わなさそうだ....



















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