僕はまだラブコメが書けない

狭い部屋に夢の残骸


書きかけのプロット、付箋だらけのノートパソコン。

酒に溺れて夢を見る。


あの日の僕は弱くて馬鹿で、能無しで。

君の傷に寄り添えず、ただただ狂うが関の山。


スマホに通知、君からの。


優しい君の隣にて、思い悩むは僕の事。

果たして隣に居てもいいのかと。


君のピアスが街灯に煌めく。

何だかとても綺麗だった。


憎悪に燃えて、突き進み。君を守ると嘯いて。

晴らしていたのは己の無力。


身体を壊して、夢破れ。命のを諦めようとした。

君は許してくれなかった。


君の抱えた物に涙の理由。

気付くことさえ出来なくて。


泣いて喚いて、謝った。

忘れた夢を思い出す。君がくれた本のこと。


憎悪に塗れ、狂い墜ち。君がくれた夢のこと。

遅すぎるのかもしれないが、


書いてみようと思うんだ。


君への感謝を綴ろうか。

まるで恋文みたいで恥ずかしい。


笑ってくれて構わない。


笑えぬ日々に、君と話して救われた。

もう少しだけ頑張るよ。


コメディとは言い切れず、恋愛というには拙くて。


故に書き上げた小説のタイトルは……








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怪文書集 春菊 甘藍 @Yasaino21sann

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