灰色の聖者

どうにも人を救えない。

こうにも善くは成りきれない。


決して善くはあらざると、罪人殺して晒す様。

人でなしにこそ相応しい。


罰する快感浸るその凶相、

限りなく黒に近い灰色で。


されど胸抱く感情は、

白くて淡くて美しい。


故に酷く歪なその様は、灰色こそが相応しい。

白にも黒にも成りきれぬ、願うは他人の幸福を。

その為ならば、罪を被ろう。躊躇わず。


その有り様は、まるで聖者のようで。

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