第2話転校生

あの日から本当に辛い日々だ。


地獄というのは炎で燃え上がる様な場所ではなくこういう所なんだろうなと思った。


クラスの全員が怖くてたまらない。


いじめてくる奈緒ちゃん達も。


ただそれを見てるだけの人達も。


いじめられて自殺したという事件を聞くと、私は怖くてたまらない。


自分もいつか死ぬ恐怖よりも生きてる恐怖が勝って、その道を選んでしまうんじゃないかと。


そんなことばかり考えている内に学校に着いてしまった。


教室に入ると奈緒ちゃん達は私には興味を示さずに会話に夢中になっていた。


ホッとしながら席についた私は目立たない様に本を読んでるふりをして過ごした。


「ねぇ、聞いた?今日うちのクラスに転校生来るらしいよ」


「めっちゃイケメンらしいよ!今日見たって子が噂してた」


「うそ!ちょー楽しみなんですけど」


教室に奈緒ちゃん達の大きな会話が響いていた。


こんな時期に転校してくるなんて珍しいな。


鐘がなり先生が男の子と教室に入ってきた。


「今日からこのクラスに転校生が入ることになりました。みんな仲良くするように」


「‥小夜翔さよかけるです。よろしくお願いします。」


綺麗な顔立ちと高い身長の転校生はモデルのようだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

いじめられ君に出会い 水無月 @kevery

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る