第24話 武器

「君が使えそうなのはここら辺だろう。」

サイは子供の俺が持てるはずのない武器を並べる。

「おっちゃん、バカなの?持てるわけないじゃん!!」

「ふふふ、バカとは失礼な!!僕は子供の君でも扱える物をちゃんと用意してますよ!!」

そういうと、サイは俺に武器の説明をしてくれた。


剣:小指でも持てるほど軽く刃の抵抗を感じないほどの切れ味


槍:伸縮自在の槍。貫通力は上物。


ボウガン:百発百中の弩。弓を引く力をテコの原理を使って簡単に引けるように改良されている。放った矢は狙った獲物を追尾する。


短剣:使用者の潜在能力を限界まで引き上げる。


「やるな!!おっちゃん!!いや、サイさん!!」

「いやいや、それほどでもあるけどね。まぁ、適正が必要だったり、武器にギフトを与えた神に嫌われてたりすると能力の発動しなかったりするようなので、全部使えるなんてことはないみたいなんですけどね。」

神に嫌われると使えないのか。

ミツハの風呂を覗いてしまったから、もしかしたら水の杖は使えないかもしれないな……

「坊っちゃん、坊っちゃん?どうします?」

「おお、すまないな。俺はテンと呼ばれてる。よろしくな!!そうだな……」

魔王の手先の体にはミオたちが数人で頑張っても刃が通らない相手だ、普通に考えれば剣だろう。


だが、潜在能力!!ミツハは俺に言ってたスペックは高いと!!

潜在能力を限界まで突破できれば俺は認めてもらえるんじゃないだろうか?


なら俺はアサシンナイフを選ぶ!!


アサシンナイフを手にすると体に力があふれてくるのがわかった。


近くでみればやはり熊だ。面影があるし、匂いが獣くさい。

そのまま魔王の手下の頭にナイフを突き立てる。

今までミオたちが苦戦していた相手だ。

刃すら通らないと思われてたが、簡単に貫いた。

一瞬だった。

一瞬で俺は魔王の手下を殺してしまったのだ。

初勝利だった。


「テン君、今のはなんだったんですか?」

ふ……っとミオの残念さを鼻で笑う。

「バカ女にはわからぬこと……ぐぁぁ!!」

俺はその場に倒れ悶絶した。

足が痛い。腕が痛い。腰が痛い。身体中が痛い。


「ミオ助けて!!助けてくれ!!」




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