第20話 俺が悪い?


たしかに俺が悪い。

覗きは犯罪。

前世からの教えを俺は軽んじたのだ。

異世界転生したからといって、人としての道を踏み外していいはずがないのだ。

「おぉ、神よ。俺が信仰するミツハ神よ。どうかこの罪をゆるしたまえ!!!」


「まぁ、その程度だと許さないかな。そこは『罰を与えたまえ!!』くらい言わないと怒った僕は許さないかな。後はミオに任せるよ。」

ニコニコ笑いながらミツハは部下であるミオに指示を送る。


「ほら、一緒に数を数えますよ。転生者。」

ミオは俺の尻をむき出しにし、膝の上に俺を載せる。

どこの世界でもある罰なのか。

享年32のおっさんからすれば、恥ずかしさもある。

ドMなら歓喜だろうが、俺にはそんな趣味はない。

「いーち」

数とともにミオの掌がバチンと破裂音と共に尻を揺らす。

俺の悲鳴は町中に響き渡る。

尻の皮がなくなるかといって思った。

ぐぐぐぐ、あの神許しておくべきか!!

「声が聞こえないですよ。」

声すらあげられないのだ。

ミオは馬鹿だから手加減をしらない。

「にーい」

……


俺はドM、俺はドM、俺はドM……

俺は生前の俺のMな部分を思い返し、ドMになることでこの虐待を乗り切るつもりであった。

ミオの顔は美人だ。

前世なら金を払う奴だっているはずだ。


「あれ?今何回でしたっけ?転生者君。」

「ふざけるな、9回目だ。」

「ちゃんと一緒に数えないからわからなくなっちゃったじないですか。」

このバカは本気で言っているのか!?

罰ではなく、拷問だった。

「せーの」

「いーち」

……

終わったときには尻が痛くて立てなかった。

「次は鍛練をしましょう。そうですね、これから転生者君への罰は私からの尻叩きにしましょう。私も良心が痛みませんしね。」


良心が痛まないだと...

俺は自分の尻が猿のように赤くなっているのを見て、その言葉への恐怖を感じた。


俺はこの日から真面目になったと言われるようになったと言われた。

いや、真面目とかじゃなくて恐怖からだということをきっと誰も気づいていないのだろう。

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