第19話 ミツハ様の秘密


「さて、僕の秘密を知ったからには生かしてはおけない」

風呂場から逃げ出そうとする俺は意図も簡単にミツハに捕まった。

水を操り、それに俺を飲み込ませる。

肺に水が入り、俺は気を失ってしまった。


ここはどこだ?

目を覚ますと身体を縛られ、木に吊るされていた。

「やぁ、転生者君。僕に何か言うことはないかな?」

ミツハは俺にニコニコと笑みを浮かべる。ちょっと怖い。

「ついに本性現しやがったな!!」

このヤローは最初から怪しいと思っていたんだ。

「『ごめんなさい』だ!!」

ミオが怒声を投げつける。


え?

俺何か悪いことしたっけ?


「貴様はミツハ様の、女神様の入浴を覗いたんだ。それは悪いことだ。転生者の前世の世界がどうかは知らないが、うちの宗派ではダメなんだ!!」



いや、言っている意味はわかるが、ミツハが俺を気絶させたのはそんなことではないはずだ。

だが、そんなことよりも気になることがある。

「ミオの裸なら覗いていいの?」

俺はあえて子供っぽく言ってみた。

「神とか人とか関係なく、君のように年齢が測れない者はダメだ!!というか嫌だ。」

「普通の赤ん坊なら?」

「それは仕方ないだろう。」

子供の特権使わせろ、バカ女!!

文句を言いたかったがそれすら言わせないような威圧感が女神ミツハから発されていた。


「いいのか、俺にそんな態度をとって……」

俺の意識が一瞬飛んだような感覚になった。

大きなため息が聞こえ、俺はハッとした。

「俺は何を……」

「キミには呪いを掛けさせて貰ったよ。」

ミツハ様は俺に対してご立腹のようだ。


「ミツハ様は謝罪をする気があればといてやろう言われていたのに、あまつさえ神を脅そうとするとは……」

あきれ果てているミオは俺をゴミのような目で見るのだ。

「キミにかけた呪いは僕の秘密を誰かに話そうとすると身体の機能を遅くなる呪いだ。僕への態度を改めたら解くことにするよ。なにより僕は優しいからね。ちなみに君はミオすら知らない秘密を知ってしまったんだ。僕の力で殺すことも出来たのを優しさで生かしておいてあげるよ。次はないよ、転生者くん。」


どうやら神の怒りに触れたようだ。

殺されないのか殺せないのかわからないが、とりあえずおとなししようと本気で反省した俺であった。

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