第18話 そんなに甘くない
5年くらい修行がしたかった。
常識や畑仕事や算数とか学びながら、前世の記憶を利用して天才って囃し立てて欲しかった。
訓練ははじめから真剣だった。
まずは握るところから始まり、持ち上がるかどうか、持ち上がれば、振れるかどうかだ。
振れないとわかれば筋力作り。練習用の木刀で素振りも千回、身のこなしを早くするためのランニング、とことん身体に負荷をかけまくる。
ダメになったら、女神ミツハが調合した変な薬を飲ませる。
これを指南役のミオがずっと見張り、俺を一人前の戦士にしようとするのだ。
もう、ただのいじめだと思う。
見た目5歳くらいの俺にやってるから虐待である。
児童相談所はどこか。それを問いただしたいと思うが無理な話であった。
ある日ミツハに文句を言いに、入浴中にも関わらず突撃しに行った
「お帰りください。転生者様。ミツハ様はご入浴中です。」
うるせー。巫女どもが!!
テメーらはおみくじでも作ってろ!!
こちとらガキだ。入浴中とか関係ないんだよ!!
むしろご褒美じゃねーか!!
正面突破は無理かのと思われだが、小さい身体と素早い身のこなしで侵入するのは意外と簡単だった。
****
半殺しにあった。
神の力とは恐ろしいものだ。
神の癖に漫画のヒロインとさほど変わらない反応しやがって……
「おい、ミツハ様。約束が違うぞ。」
湯船に浸かりながら俺はミツハに文句を言った。
「僕はキミが望むようにミオに戦士にするよう頼んだはずだよ。」
「バカ女がそんな大役できるわけないだろ。身体が壊れるぞ。スポーツ選手だって休むことは必要なんだよ。一流アスリートになる前に故障したら意味ないだろ。」
「スポーツ?キミが何を言っているかわからないが、以前にも説明しただろ。転生者の対価は支払われてるって。」
言っている意味がわからない。それとこれとはなにも関係ないはずだ。
「転生者なんだから身体が丈夫なはずだ。」
……
…………
………………
「ふざけんな!!!なんだそのムチャクチャな理論。転生者だって人間なんだよ!!風邪だって引くし、怪我だってする。どこぞの戦闘民族とは違うんだよ!」
神のくせに何も知らねーのか、同じメニューをこいつにやらせたい。
「君は風邪を引いたことがあるのか?」
ミツハから俺に問われると、俺は凄んでしまった。
たしかにこの身体ではたぶんないと思うが、それはオカンがそうならないように面倒を見てくれていたからで……
「君の身体は普通の子供とは違うんだ。」
ミツハはそこまでわかっていたというのか
それであのバカ女のしごきを止めることもせず、俺を一人前にしようとしているのか……
もっとゆっくり鍛えて欲しかった……
「まぁ、僕もミオがあまりにムチャをさせているというのは驚いたが、それでもなんとかなっているというならそれでいいだろ。ダメになったら僕の奇跡で治せばいいし。わかったらさっさと出なよ!!」
最悪である。
俺はある程度修行をつけてもらったら、逃げ出すことを心に決め、ミツハの身体を視姦するのだった。
そして、不幸なことにあることに気づいた。
「え!? お前って――
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