第16話 ミオの能力
「それは無理。」
はっきりとミツハは俺からの交渉を打ち切った。
もうちょい考えろよ……
「ちゃんと僕たちの神にも規則があるんだよ、転生者くん。君はどこかの神の信徒で、何かしらの供物を差し出してギフトを貰っているはずなんだよ。」
「ギフト?」
「まぁ、私たちが与える才能みたいなものかな。」
ギフトを貰っているはず?さっきミオは俺にそう言った。
言い方が気になる。
「俺のギフトってちなみになんなの?」
「わからない」
わからない?
神のくせに使えない奴だ。
「どうやったら使えるんだ?」
神はそれすら知らなかった。
イメージがわかない。
「ミオはギフトを貰っているのか?」
「僕が生まれたときに与えているよ。ご両親が何か供物を持ってきてくれたからね。能力のことを考えるとそこそこ良いものだったと思うけど覚えてないな。」
「それはどんな才能なんだ?」
「ミオ見せてあげなさい。説明するより早いだろう。」
そういうとミツハはミオに、外の鳥を1羽矢で射るように
指示をした。
弓を引くミオを見ていると、ミツハは俺に外の小鳥を見るように言ってくる。
小鳥は燕や雀と同じくらいの大きさだろう。
弓の技術は俺にはわからないが、小鳥の方がやっぱり的が小さいから射抜きにくいのだろうか?
「見えたかい?」
矢はいつの間にか小鳥を射抜いていた。
ゲームでいうとこの速射にあたるのだろうか?
いつの間にか小鳥の前にミオは現れ、手を振りどこかへ行ってしまう。
「今日の僕の供物に焼き鳥追加だな。ミオの能力は『時飛ばし』。さっきのは矢が動いた時間を飛ばしたんだよ。私も気に入った子にしか渡さない希少能力だよ。」
ん!? 時飛ばし? 時を飛ばす?
何それ?チートじゃん。
才能とかのレベルじゃないじゃねーか!!
「さて、僕たちの目的魔王についてだが……」
「ふざけんな!!転生者の俺が能力不明でなんでモブキャラがチート能力使っているんだ!!チート能力は俺のポジションなんだよ!!魔王倒せ?お前らが倒せ!!時飛ばしなんかできる奴が倒せないなら、俺なんて絶対無理だからな!!」
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