第3話 やるべきことは...


やるべきことは...

やるべきはハイハイだった。

というより、ハイハイでも出来ないという状況がそもそも命の危機なのだ。

分かりやすく言うならば、俺の手足をベッドにグルグル巻きにされているのと変わらないということである。

空腹で死ぬ。脱水で死ぬ。何より暇で死ぬ可能性がある。


HOW TO ハイハイ?

その前にいくつかやるべきステップがある。

まず俺がやったのは首を鍛えること。

だってまだ首が据わってないんだから。

1週間もかからなかったがとにかく首を動かした。それで首が据わった。

首が据わっても腹が減るのは改善しない。

腹が減った。でも母乳がない。

オカンがウロウロしているが心配してくれているのだろう。

たまに俺のもとを離れ、他の兄弟たちと共に食事をする。

戻ってきては俺に母乳を吸わせようとする。

ダメなんだ、オカン。もう吸ってもでないんだ。

俺のほうがオカンの身体についてはわかっていた。

くそ、どうやらここまでのようだ。

オカンが近くによってくる。

別れがわかるのかもしれない……

拾ってくれたのがこの犬でよかった。

他の畜生だったら食われていたかもしれないからな。


ありがとう、オカン


俺は心のそこから感謝した。

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