第15話 野次馬だって当事者です7
まあなんだかんだあったがとりあえず終わった自己紹介。
その後各自で帰路についていた。
かくいう俺もその一人で、蘭と別れた後、一人で男児寮へと向かっていた。
そんな時、俺を呼び止めたものがいた。
「シンさん」
振り向くとそこには茶髪で、すかした顔の男がいた。
こいつは確か俺のクラスの自己紹介でエリック・オービンスと名乗ったやつだ。
「やぁ、エリック君、何の用かな。」
すると彼は少し驚いたような顔をした。
「あれ?あなたならもう僕の正体に気づいていると思っていたんですがね。」
俺はけげんな顔をした。
正体?いやいや、こいつの正体はエリック・オービンスその人だろう?
「ん?エリック・オービンス君、だよね?」
「それもそうですが…もしや、自分がこの世界に来た理由をお忘れですか?」
「ん?自分がこの世界に来た理由?それは…」
そこで俺は思い出した。
俺は確かサンドラっていう勇者の統御をするためにここに生まれたのだった。
そういえばサンドラという名前のものがもう近くにいたな。
そうか、あいつが勇者だったのか。
しかし、これをエリックが知っているとはどういうことなんだ?
まさか俺と同じくあの女から命令を受けてここに来たとか?
まあ確かにあの女は別に俺一人が送り込まれるとは言っていなかった。
「…とりあえず話をしよう。お前もこちら側の人間なのか?」
「話が早くて助かります。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます