“文豪系“三銃士①月吠え

 文スト、文アル、月吠え、の三銃士ですね。みなさんはどれが一番好きですか?知名度的には文ストがダントツですよね。多分……

 私は「月に吠えらんねえ」(略して月吠え)を最近読んで深い感銘を受けました。物凄い漫画を読んでしまった、と思いました。

 「月に吠えらんねえ」は□街(詩歌句街)と呼ばれる街に住む詩人や俳人や歌人たちの、ある縊死体を巡る大騒動を描いた素晴らしい作品です。私の説明はびっくりするほどクソなのですけれど……

 作者の清家雪子先生は資料の読み込み、詩人や詩人たちの作品への解釈、戦争詩との向き合い方が凄すぎるんですよね……本当に頭の良いお方だと思います。セリフ、言葉選びなどが本当に心に響く。今年のベスト漫画がはや決まってしまいました。

 本当に天才だと思います。そしてありえないほど多い参考文献───

 詩人たちの解釈は、根拠ある、資料の凄まじいほどの読み込み具合が窺える、裏打ちされたものですので、かなり安心して読めると思います。

 ぞくっとするような清家先生なりの解釈が大好きです。特に高村光太郎・智恵子さんの関係──作中では高村光太郎(と作品を具現化したキャラ)がチエコさんというロボットを作り続けていて、本当に嬉しくなりました。

 個人的には、智恵子抄はただの純愛としてすっきり終われるものではないと思っておりましたから。

 高村光太郎・智恵子の関係に焦点を当ててみるとその理由がわかると思います。

 文学史に知識のある方はなお一層、楽しんで読めると思います。文学史の中でも”汚点“扱いされがちな「戦争詩」に向き合ってみて下さい。

 

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