じいちゃんと葬式の思い出②
通夜の思い出。
葬儀場のご飯は美味しくなかった。脂が固まった唐揚げを黙って食べた。
それで、じいちゃんの棺を見る。
お化粧されてて、やけに生白くって、綺麗に整えられていた。
久しぶりに会った内気な従妹たちは随分と大きくなっていて、私とぎこちなくもよく話をしてくれた。
葬式当日。
お経。長い長いお経。
お坊さんの太い声がずっと響いている。
じいちゃんの戒名を何回か言ったのは分かった。
それで、あ、葬式なんだ、と。やっと実感した。それと同時に涙が溢れてきた。
ハンカチで何度拭っても止まらなかった。声を押し殺して泣いた。
私は昔から、泣いてるのを悟られるのが嫌いだった。
私はかなり、じいちゃんのことが好きだったんだ、とやっと理解した。
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