第2話
俺の気持ちを
今日は仕事終わりで部署の忘年会がある。
昼時間。俺が社食から部署へと戻ると、向かいの席のニカくんは
その中の一人が突然、
あのニカくんに向かって、クリスマスの予定を聞きやがった!
わざわざ言わなくても、ニカくんの答えは決まっているではないか。
ニカくんの口から直接聞きたくなかった俺は、思わずその会話に
「ニカくんのクリスマスは、恋人のものだろ!」
そう言い
同僚は
その時、ニカくんが声を
「そうだね」
ニカくんのその一言で、俺は
「だよね! ほらな、ニカくんはな、君たちとは違うんだ!」
俺はファニーフェイス気取りで、そう言いのけてやった。
午後からの俺の仕事振りは、
先輩には
こんな
* * *
終業後、俺は部署の
ニカくんは
俺はニカくんの言いつけ通り、アルコールは
ニカくんが来るまでは、何も口にしないことだって
けれどニカくんがいないこの時間、
俺の周りの人たちはほろ酔いながら、
(俺だって、クリスマスに甘いひと時を
オレンジジュースを少しずつ飲みながら、俺は彼らを
俺には
恋人か俺の家のどちらかで、食事を
けれど、現実とは苦いもの。
俺はゲイで、その俺が片想い中のニカくんには『可愛い彼女』がいるのだから。
今、ちょうど入り口
俺はたまらず
(俺だって、ニカくんと今年の
俺は男の
だって、あんなお子ちゃまたちと一緒にされたくない。
けれど、ニカくんは
約束なんてしていないのだから
こんなにいじらしい
けれど、俺は今や『恋する
俺の視線の先のニカくんは、女性に
その中の一人が、見るからにあざとくふらついて、ニカくんの
視界に入る距離とはいえ、こんなに遠いところで一人で気を
それは俺が男だから。しかも俺はゲイ。
俺は、ニカくんには
一人で
俺はニカくんと彼にぶら
(あとで帰ったことを、
その時、俺の左腕が何かに強く引っかかる。その
ニカくんは俺の左腕を掴んで、さらには
突然のことに俺が言葉に
ニカくんは何も話さずに歩いていく。時々、俺が彼の背中に向かって「ニカくん」や「俺、お酒飲んでないよ」と言っても、ニカくんは答えない。そのうち、俺の声をうるさいと思ったのか、ニカくんは突然タクシーを止めて俺をそこへと押し込み、
* * *
タクシーが止まった先は、ニカくんのマンションの前だった。
先に車から
『早く降りろ』という意味なのかと、俺がその手を握ると、ニカくんは俺を引き寄せた。
それでなければ、いつも優しいニカくんがこんなに
そう考えている間に、ニカくんが玄関の
「
俺は思わず、
「ニカくん、俺、今日は……」
オレンジジュースしか飲んでない、と続きを言おうとした時、ニカくんは俺ごと部屋の中へ押し入った。
リビングの
「バスルーム、
ニカくんはそう言ったあと、俺の腕から
俺はニカくんに言われたままシャワーを
俺はリビングのソファーに
(…………。いやいやいや。おかしいよね? なんで俺、
(飲んだの、オレンジジュースだけなのに……)
自然と
その時、リビングに戻ってきたニカくんがそのままキッチンへと向かった。
俺は体を
ニカくんがこちらにやってくる。その手には
「……ええっと、ニカくん?」
たまらず俺が話しかけると、ニカくんは持っているグラスを俺へと
「
俺の思う
ニカくんの家に、ニカくんと二人。
シャワーを浴びて、乾杯。
……何、この状況。
まるで恋人のような? いや、もしかして俺は
……そんな訳はない。ニカくんには、あの可愛い彼女がいる。
(ニカくんの彼女なら、今みたいにニカくんを独り占めできるんだ……。っていうか、今、俺、ニカくんを独り占めしてる?)
「ニカくん、好き」
(……ん? 俺、今……、えっ? ええっ?)
俺の
なんともユルい口なのか……。
明日からのことを思うと
俺は
すると
「知ってる」
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