すき焼きパーティーが催された
夕方のデッキは賑やかだった。
紅白の横断幕が貼られ、畳が敷かれていた。
ちゃぶ台があり、その上にはすき焼きの鍋や肉が並べられている。
今夜は氷川丸名物の、船上すき焼きパーティーの日だった。
船長の秋吉氏の姿もあった。
客をもてなす、プロの笑顔だ。
船員の方々はハッピや、ゆかたを着て、日本らしい雰囲気を演出していた。
外国人の乗客達には大ウケのようだ。
彼らもハッピをもらい、楽しそうである。
カメラマンの彼はそんな乗客達の楽しそうな姿を撮っていた。
以前私が一等食堂で横からステーキをつまみ食いした紳士もそこにいた。
彼は私を見ると、以外にも私を手招きをして、ここで一緒に食べようと言ってくれた。
アメリカの商社で働くビジネスマンで、帰国の途についているところだった。
すき焼きは美味く、味付けも良かった。
ひさえさんもいて、私にビールを注いでくれた。
彼女も浴衣を着ており、そして美しかった。
氷川丸は順調にアメリカへ向けて航行していた。
空には満月が浮かんでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます