2.洞窟へ!

 朝日を浴びながら旅立った冒険者たち。

 一晩の野宿を挟みつつ、無事に目的地の洞窟へとたどり着く。


GM:皆さんの目の前、数メートル先には川が流れ出る洞窟がありました。道も伸びています。パッと見た限り、見張りがいるような様子もありません。えーと、君たちから見て川の右側に道があるので、侵入するならその道を使うのがいいでしょう。


スージー:今、調べるとしたらレンジャー技能です?


GM:そうだね。探索判定になるね。レンジャーはもちろん、スカウトでも大丈夫です。皆も振ってくれー。


スージー:(ころころ)達成値は、9です。


トリノ:スカウトで判定(ころころ)9。


ギル:平目で……(ころころ)2人に任せる(笑顔)。


GM:うむ。最大は9ですね。2人には分かった。道には複数の足跡が、大量にあります。というより、誰かが頻繁に行き来しているのかなって思った。一つだけ四足歩行の蹄の足跡もあるけど。


トリノ:四足歩行の足跡……家畜?(じっと見つめる)


スージー:牛さんとかですかね。


トリノ:ぐちゃぐちゃすぎて詳細は分からない?


GM:そうですね。あの達成値じゃちょっとわかりませんでした。


ギル:目的地に間違いはなさそうだ。早く行こう。


 とりあえずトリノとギルが前で、スージーはその後ろという並び順で洞窟に潜入することになった。


GM:洞窟の中は暗くてじめじめしています。左手には川が流れているのですが、たしかに水量が少ない感じがします。まあ松明で明かりをつけないとエルフのトリノ以外には見えないのですが。


スージー:じゃあ私が松明つけますね! ちゃんと持ちますよ!


GM:えーと、多分その明かりだと届かないから……暗視持ちのトリノには、少し川を上った先に、橋っぽいのがあるのが見えた。


トリノ:……橋。 渡るしかないのか。


ギル:他に行けそうなところはないか?


GM:ないですね。今歩いている道は橋の少し奥で行き止まりになっちゃう。


ギル:なら橋の手前まで行くか。それがどんなものか確かめた方がいいだろうな。


トリノ:橋に向かって歩き出す。


GM:橋を調べるのもいいですが、水質をチェックしてもいいですよ。薬品学判定かな?


スージー:せっかくなので調べておいた方がいいでしょうか。(ころころ)達成値は14です。


GM:高いね。それならば、スージーにはこの水は純粋な真水ではないと思った。何かが混ざっている……しかもちょっとだけ温かい。


スージー:やっぱり温泉……飲んだらお腹壊しそうですね。


トリノ:それは流石にやったら馬鹿なんじゃないのか……。


GM:川をさかのぼるというのであれば、それはそれで止はしません。エルフのトリノが行けば、判定はいらないだろうしね。


トリノ:じゃあ行ってみる(いそいそと入水)。


GM:了解。今のところ、水量はトリノの腰ほどまでですね。意外と浅い。


ギル:水中生物に気をつけろよ。


トリノ:(こくりと頷く)。


 【剣の加護/優しき水】をフル活用し、川をさかのぼるトリノ。水がどんどん温かくなっていくことに気づく。だが、川の上流は岩でせき止められていて、そこから先へは行けそうになかった。


トリノ:この川……人工的にせき止められているのかな(服から水分を絞っている)。


GM:そうですね。トリノが見た感じそんな感じがしました。それ以上はセージ技能持ってこい。


スージー:私が直接見ないとですね。地上から向かえたらいいんですけど……。


ギル:トリノが岩を破壊するのは?


トリノ:できるかできないかは置いておいて、そんなことをしたら大量の水が流れ込んできて2人が危ないと思う。


ギル:……それもそうか。とにかく奥へ行ってみない事には分からないな。


スージー:じゃあ、橋渡ります? というか調べます?


GM:そうだね! 橋のことすっかり忘れ去られてるよね! えーと、丸太を二本ロープで結んで、離れないようにして、かけてある。そんな橋です。


トリノ:調べるなら探索判定?


GM:いえす。屋内なのでスカウトのみでお願いします。


トリノ:了解(ころころ)……達成値8。ひどい出目だ……。


GM:8かー。トリノは、この橋には何もないと思った。まあ、入り口と同じように、足跡はいっぱいあるけど。心配なら、ほかのみんなも平目チャレンジすればいいんじゃないかな。


ギル:おお。では平目(ころころ)達成値11。シーンの加護だな。


GM:十分やんけ。ギルはこの橋は安全そうだなって思った。


ギル:ならとりあえず進むしかないな。


トリノ:複雑な顔をしながら無言で渡り始める。


GM:3人は無事に渡れました。対岸は狭いながらも空間ができていて、川上に向かえそうな道が1本伸びています。


トリノ:判定しとく?


ギル:そうだな。


トリノ:(ころころ)探索判定の達成値は14。


GM:うんうん大活躍。足跡は道なりに進んでます。


スージー:安全そうですね! 行きましょう!


GM:道の先は分かれ道、T字路になってます。で、そこまで来ると気づくんだけど、ここは甘いんだか臭いんだか分かんない空気で満ちてる。


ギル&トリノ:くさっ!


スージー:硫黄とかです?


GM:んー。確かにそれも混ざってるかも。でも微かですね。で、暗視持ちのトリノにはわかりますが、左右の道の突き当りには木製の扉があります。臭いのは左の方。甘い匂いは右の方。


ギル:どちらにも行けそうだな。どっちから行く?


トリノ:……臭いの後回しにするのは、ちょっと……。


スージー:温泉に近いのは右ですよね?


GM:いえす。上流は右です。


ギル:なら先に臭い方を調べるか。


トリノ:そうしよう。念のため通路に探索判定(ころころ)達成値10。


GM:足跡のほとんどが右の扉に向かっていることが分かった。で、左……これから向かおうとしている方には、手押し車のようなものの轍が何本も残ってる。


スージー:倉庫です?


ギル:ゴミ捨て場かもしれないな。いずれにせよ、初手からエンカウントは避けられそうだ。


GM:さてどうかな……扉に近づいて行けばいくほど悪臭はひどくなっていきます。鼻がもげそう。


一同:うえええ……(鼻を押さえる仕草)。


GM:ただここまで近づいて分かったこともあります。これは食べ物が腐ったような匂いと、油の匂いが混ざってます。あ、もしかすると、トリノにはなじみがあるかも。ちょっとアルケミスト技能レベル+知力ボーナスで判定してみそ。


トリノ:なんだと(ころころ)11。


GM:魔動機械に使う油の匂いだと思い出しました。マギテック協会で嗅いだことあったのかも。


ギル:……敵はいないと思ったが、まさかいるのだろうか。


トリノ:可能性はある。……開ける? もちろん探索判定してからだけど。


スージー:ちょっと怖いです……ぎゅっと形見のナイフを握る。


ギル:ふむ……虎穴に入らずんばなんとやら、だな。判定を頼む。


トリノ:了解(ころころ)達成値は9。


GM:この扉には鍵もかかってないし、罠もない、と思った。聞き耳もしますか?


トリノ:念には念を入れよう(ころころ)13。


GM:特に何も聞こえませんでした。まあ、ハエとかの羽音は聞こえるかもしれないけど、目立った物音はない。


ギル:罠があった時に備えて俺が開けるか。


トリノ:頼んだ。


スージー:お願いします!


GM:扉を開けるとむぁんと目を突き刺すような悪臭が……。


ギル:うっ(目を押さえる)。


スージー&トリノ:ぎゃっ(同じく目を押さえる)。


GM:じゃなくて、えーと、ちょっとした広い空間に出ます。生ごみっぽいものが積み上げられているのが見えますね。やっぱりゴミ捨て場っぽいです。


ギル:目頭を押さえつつ、とりあえず探索判定するか。素目で……(ころころ)おっ。6ゾロ。


スージー:私も平目で……(ころころ)あっ1ゾロでした!


トリノ:(ころころ)こっちは14。普通。


GM:ギルとトリノは、生ごみの山の下から顔を覗く、魔動機械を発見しました。でも君たちが身構えても、向こうは反応しませんね。壊れてるのかも。


トリノ:近くにあった棒で突いてみるけど。えい(つんつん)。


GM:しーん。反応なし。


トリノ:GMの言う通り壊れてるみたい。


スージー:セージ的になんか調べられたりとかはできます?


GM:できますよー。魔物知識判定を許可します。


スージー:ま、まもちき……(ころころ)達成値12、です。


GM:お。分かりますね。カッティングトーチという掘削用の魔動機です。やっぱ壊れてるっぽい。


ギル:ふむ、パーツをばらしたら売れないだろうか。月神シーンの神殿は金持ちのパトロンがあまり居ないので貧乏なんだ……。


トリノ:確かに……錬金術も金かかるから……(目そらし)。


GM:ゴミ山に近づくのであれば戦利品とってもいいですよ(にこにこ)。


ギル:俺は取るぞ……俺は……取るぞ……!(決意の表情)


GM:お。行く?


スージー:やりましょうか? 私は侍女上がりなので平気ですよ!


ギル:いや、待て、女の子にそんなことはさせられないぞ。俺がやる。(ころころ)5。……すまんかった。


GM:あー……君は鉄2つを手に入れました。生ごみの山がだばぁってしましたけど。


ギル:んんん……とりあえず鉄は取れたぞ……(げっそり)


トリノ:川で水浴びしてきなよ。その間に戦利品をカードに変えるから。


ギル:そうする……。


 ずっとGMが言い出せないでいたヒーリングポーションを2本回収して、次の部屋へ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る