第16話一月後シルビア・アルファード目線
シルビア目線
最近アルファード様がよそよそしい。
婚約者候補になってそろそろひと月が経つが、誰もが何かにつけてカレンが、カレンがと比べてくる。
教育係も、人を蔑むような目で見て、コソコソとカレン様ならこんなことはないのに、とわざわざ聞こえよがしに言ってくる。
だいたいね、2年あるのよ。それを誕生日が近いからって、急に覚えれるわけないじゃない。
招待客の名前なんてアルファード様が覚えているんだから別に私が覚えなくてもいいと思うわ。
もともと、カレンが幼なじみだか、小さい頃からやってるから出来ているだけであって、同じにすぐ出来るわけないじゃない!
アルファード様もアルファード様よ。最初こそ可愛いねと言ってくれたくせに、教育係と一緒になって、カレンなら、カレンなら、てうるさい!!
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アルファード目線
シルビアは可愛い。
しかし、カレンとは全く違う。
食事の仕方も、礼儀もおぼつかない。
それに、ドレスもなんだか似合わなかった。何故だろう?と思っていると、がに股ですよ、O脚どうにかなりませんか?と叱られていた。
なるほど。それでか、と思った。
ふときになり、教育係に何故カレンにはあまり言わなかったのか?と聞いたら、教える事がありませんでした、と言われた。
知らなかったが、カレンは自分なりに私のために努力していたとのことだった。
そこではっとした。
そうだ、私はシルビアにいつもカレンを、重ねていた。
何かいつも寂しいと、不安だと思っていた。
カレンがいつも側にいたから、私は安心できたんだ。
そうだ、やはりカレンなのだ。
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