転生した私
――――――
ザワザワした騒音が聞こえる。
え?
やば!寝坊?
イベントに寝坊はご法度だ!やばい!
急いで体を起こそうと思ったけど、なぜか体が動かない。視界が良好になってきて私が目にしたのは、知らない人。人、人、人!!
「だぁーう!だぁだぁうぁ」
未だかつてない間抜けな声が自分から聞こえた。
む。上手く喋れないときたか…。
突然にゅっと伸びて来た大きい手が頭を撫ぜる。いや、私の頭がすっぽり収まる手の持ち主なんてこの世にいるはずない。巨人がいたら別だけど…
「まぁ…あなたと同じとても綺麗な金色の髪ですわ」
「目はお前にそっくりな澄んだ空のような色じゃないか!なんて美しいんだ!」
金髪金色の目をしたイケメンと銀髪碧眼の美女が目の前で胃もたれを起こしそうなやり取りを繰り広げている。
いや、ボーッと見とれてる場合じゃない。夢なら早く覚めないと、今日は大事な同人即売会なんだから!!えいっえいっと腕を動かして自分のほっぺたをつねろうにも腕が思うように動かない。
くっ…なんで?どうなっているの…
そう思っているのも束の間で、急に体が持ち上げられた。
ちょ!まって!そんな軽々持ち上げるってやっぱり巨人?
「リリアナ、よく顔を見せておくれ」
横になっていた状態から抱き起こされみている世界が一変した。私を取り巻いていた人たちは完全に漫画かゲームの中でしかみたことのないような、ドレスやマントを見にまとい宝石でキラキラと豪華絢爛な装いをしている。
ふと目に入って来た鏡…
「あー!!あ、あ、うー!」
出来うる限りの精一杯の声を出して鏡を触ろうとするジェスチャーを繰り返す。
「なんだい?鏡がきになるのか!これは将来が楽しみだなー」
「えぇ、えぇ、女の子はオシャレに敏感でなくてはいけませんもの!きっと素敵な女の子になりますわ」
話の下り的に父と母であろう二人は顔を見合わせて呑気な話をしており、周りにはメイド服を着た人や燕尾服を着た人もいてニコニコとこちらを見守っていてなんだか生ぬるい空気を醸し出してる。
そして鏡に映った自分に愕然とする。
ふわふわのまだ短い金髪に白い肌、そして青い瞳。まるでお人形のような赤ん坊が映し出されていた。
「あ、、あ、だぁうあー!!!」
(な、、な、なんじゃこりゃー!!!)
__________
そして散々いろんな人に褒めちぎられキスせれまくって(さすがに知らないおじさんは拒否したごめん!)
その後私はベッドに戻され寝かしつけられる。なんと言っても体はまだ0歳児なので抗えるはずもなくスヤァと夢の中へ落ちていった。
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