第3話 病の娘
名残惜しげに彼女は樹を振り返りながら
街はずれの自分自身の家に戻る
修道士はため息一つ
可哀想な娘だ
十字軍に参加した幼なじみの黒髪の若者を待って
もう何年もああして待っている
一体 どうすれば良いものか・・
しかも 低い身分の貴族で身体が弱いとはいえ
あの美貌・・
身分の高い貴族や金持ちの商人が
世話をしたいと何人も声がかかっているという・・
それから しばらくしての後に
半年も立たぬ間に
家の借財と歳の離れた弟の為に
実家への援助と弟の出世将来への約束の為に
都の高い身分の貴族のものとなり
そして 一年後に
ある夜、娘は血を吐いた
彼女は家に返され 静かに日々を送っている
身体は弱り この街で誰より医術の心得を持つ
神父は毎週 調合した薬を持ち彼女の家に通う事になった
「具合はどうかね麗しきレディ・エリシアナ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます